第529話 2013/02/23

谷本茂さんの古代史講義

 古田史学の会会員で古くからの古田史学研究者である谷本茂さんがNHK文化センター梅田教室で古代史の講義をされます。テーマは「邪馬台国は大和にあったか?」というもので、多元史観古田史学による講義です。皆さんの受講をおすすめします。

 谷本さんは2001年に東京で開催された『「邪馬台国」はなかった』発刊30周年記念講演会で、わたしとともに祝賀講演を行った間柄で、優れた研究者で
す。中でも短里研究では優れた業績を残されており、祝賀講演でも「史料解読方法の画期」というテーマで短里説を展開されました。
   谷本さんは京都大学在学中(1972年頃)からの古田ファンだそうで、古田先生の息子さんの家庭教師をしながら、古田先生の最新研究を真っ先に聞かれていたとのこと。
  「大変おいしいアルバイトだった」と祝賀講演でも話されていました。

 祝賀講演のわたしの演題は「古田史学の誕生と未来」というものでした。当初、事務局に提出していた演題は「古田史学を学ぶ覚悟」だったのですが、「刺激
的すぎる」というあまりよくわからない理由で変更を求められ、「古田史学の誕生と未来」に落ち着きました。もっとも内容に変更はなく、「わたしたちの学問
は、体制に認められようとか、私利私欲のためにあるのではなく、真実と人間の理性にのみ依拠し、百年後二百年後の青年のために真実を追求する、この学問を
やっていきたい。」と「檄」を飛ばしました。
   あの日からもう12年たったのかと思うと、それだけ私も谷本さんも、そして古田先生も年齢を重ねたのだと、感慨深いものがあります。これからも谷本さんと共に切磋琢磨して古田先生の学問を継承していかねばならないと、決意を新たにしました。
   谷本さんの講義は下記の通りです。ご参照ください。
   NHKカルチャー NHK文化センター梅田教室
   邪馬台国は大和にあったか?(講師:谷本茂)
  2013年4月8日(月)と4月22日(月)の2回 10:30~12:00
  一般受講料:6,300円(NHK文化セ ンター会員受講料:5,670円)
  問い合せ電話:06-6367-0880
  【概 要】
   古代史の重要な発掘や調査があると決まって大新聞が報道する「邪馬台国=近畿説に新たな証拠!」という論調には大きな疑問符がつきまといます。
   三角縁神獣鏡は卑弥呼に贈られた鏡なのか?箸墓は卑弥呼の墓である可能性が高いのか?三世紀の近畿に存在した王権を「邪馬台国」と判断する根拠は何なのか?

 客観的な出土物の分析ならびに文献との整合性を重視する立場から、古代史の研究・報道に関わる冷静な批判的視点を提案します。「こうであろう」論理から
「こうであるはずがない」論理に転換することで、新しい古代史の展望が開けてくることを、具体的な事例で解説します。
   NHK文化セ ンターの当該ページは↓
http://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_854561.html

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