第1539話 2017/11/15

深志の三悪筆

 昨日は松本市での古代史講演会で正木裕さん(古田史学の会・事務局長)と共に講演しました。平日にもかわらず、「邪馬壹国研究会・まつもと」(事務局:鈴岡さん)の会員や古田先生の教え子さんをはじめ長野県内各地から30名以上の参加がありました。質疑応答で出された質問はとてもレベルが高く、「学都松本」と言われるだけはありました。会場は松本城(国宝)に近い中央図書館ですが、大勢の中高生が館内で勉強している姿にも感銘を受けました。催し物がない日は講演会場も開放し、子供たちの自習に使用させるとのこと。他の図書館にも見習ってほしい姿勢です。
 夜の懇親会では「邪馬壹国研究会・まつもと」の丸山さんから松本深志高校時代の古田先生の思い出話をたくさん聞かせていただきました。中でも国文学の担当をされていた古田先生の授業は休講が多かったが内容は素晴らしかったこと、深志高校の先生の中では古田先生は字が下手で、「深志の三悪筆」と生徒から呼ばれていたことなどを教えていただきました。ただし、「三悪筆」の中では、古田先生の字はまだ読める方だったとのこと。
 「深志の三悪筆」とは言い得て妙の表現です。たしかに古田先生の字は達筆とは言えませんでしたが、独特の「味のある」字体でした。ちなみに、一緒に「古田史学の会」を立ち上げた藤田友治さん(故人)とわたしも悪筆で、古田先生の「弟子」の中では「超悪筆」の二人かもしれません。他方、水野孝夫顧問(前代表)は達筆です。
 更に丸山さんは古田先生のお父上もご存じで、広島大学に進学されるとき、保証人になっていただいたそうです。古田先生の教え子さんたちも物故され、当時の古田先生のことを知る方々も少なくなっていますが、古田先生のお父上をご存じの方がおられることに驚きました。
 懇親会は夜遅くまで続き、遠方からお越しの方が徐々に退席される中、先生の思い出や学問の話、今後の活動方針などを話題に歓談が続きました。信州の皆様、ありがとうございました。

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