第2402話 2021/03/07

『多元』No.162の紹介

 先日、友好団体「多元的古代研究会」の会紙『多元』No.162が届きました。拙稿「『邪馬台国』畿内説の論理 ―戦後実証史学への挑戦―」を掲載していただきました。「邪馬台国」畿内説を支持する考古学者から直接聞いた同説の根拠と論理性について紹介し、そうした考古学者との誠実な対話と文献史学における古田説の紹介が必要との持論を述べたものです。
 一面には、吉村八洲男さん(古田史学の会・会員、上田市)の「続・『景行紀』を読む」が掲載されています。景行紀の史料批判により、東征説話が盗作・転用された動機やその内実に迫られた論稿でした。
 服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)の論稿「元号の始まり」は中国における元号成立について説明され、別系統九州年号とされてきた「中元」「果安」についても触れられています。
 「事務局便り」では、多元的古代研究会ハイブリッド月例会のリモート参加費(資料代、視聴料など)について検討されている様子で、「古田史学の会」関西例会と似たような状況と問題意識を持っておられることがうかがえました。コロナ禍における目先の対応策にとどまらず、将来的な研究活動のスタイルについて真剣に考えるべき時代に入ったと思われます。

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