第15話 2005/07/31

『古今和歌集』の読み人知らず

 昨日の古田先生の講演会は大盛況でした。会場の京都市商工会議所ホールには250名の聴衆が訪れ、上岡龍太郎さんや公明党の角替豊府会議員らも見えておられました。もちろん本会会員も各地から多数参加され、懐かしいお顔もありました。
 1部はわたしと古田先生の対談形式で「古田史学入門編」ということでしたが、古田先生のお話が熱気を帯びて、時間オーバー。わたしは時計を見ながら冷や汗ものでしたが、初めて古田史学に接した方にも好評で、終了後、感動の声が寄せられました。
 2部の講演では「君が代」に関する新たな発見として、『古今和歌集』の「読み人知らず」問題に触れられました。『古今和歌集』1111首の内、なんと425首が読み人知らずとのこと(高田かつ子さんの調査)。読み人が書いてある歌では、そのほとんどが平安時代の人物で、これらが「古今」の「今」に相当する歌であることから、それ以外の読み人知らずの425集は「古」と考えざるを得ません。従って425首の多くは九州王朝時代の歌であり、その中に「君が代」も入っています。だから「君が代」は大和朝廷の天皇に捧げられた歌ではなく、九州王朝の天子に捧げられた歌である、との論証でした。
 『古今和歌集』にこれほど多くの「読み人知らず」があるとは思いませんでしたし、「古今」の「古」と「今」が九州王朝と大和朝廷に対応しているという説には、深く考えさせられました。
 終了後、主催者(ミネルヴァ書房・ふくろう会)の皆さんと食事会がありましたが、そこでも靖国神社問題など古田先生の興味深い話が続きました。9月24日のアバンティホール(京都市南区・JR京都駅の南)での講演会では、この話が更に展開されるとのこと。楽しみです。

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