第2882話 2022/11/24

古田先生の御遺命「和田家文書」の保存

 過日の八王子セミナーの晩、安彦克己さん(東京古田会・副会長)がわたしの部屋に見えられ、夜遅くまで和田家文書研究の情報・意見交換をさせていただきました。安彦さんは和田家文書研究の第一人者で、優れた研究をいくつも発表されています。その安彦さんから、和田家文書研究会(東京古田会主催)での発表の打診があり、その打ち合わせを兼ねて和田家文書調査の思い出を夜遅くまで語り明かしました。
 当初(1993年頃)、和田家文書を偽書ではないかと思っていたわたしでしたが、古田先生と津軽行脚を続ける中で、偽作説は成立困難であり、むしろ真作としなけば説明できない事象が調査の度に次々と明らかになったことを安彦さんに説明しました(注)。そうした津軽行脚の経緯など、まだ論文として発表していない事実を研究会でお話しできればと思います。そして、古田先生が果たせなかった課題(和田家文書の保存など)や、和田家文書研究における困難な問題点についても紹介する予定です。

(注)次の拙稿をご参照ください。
 「『和田家文書』現地調査報告和田家史料の『戦後史』」『古田史学会報』3号、1994年。「古田史学の会」のHP「新・古代学の扉」に収録。
 「洛中洛外日記」2577話(2021/09/22)〝『東日流外三郡誌』真実の語り部(3) ―「金光上人史料」発見のいきさつ(佐藤堅瑞さん)―〟HP「新・古代学の扉」に収録。
 「平成・諸翁聞取帳 東北・北海道巡脚編 出土していた縄文の石神(森田村石神遺跡)」『古田史学会報』16号、1996年。HP「新・古代学の扉」に収録。
 「和田家文書に使用された和紙」『東京古田会ニュース』206号、2022年。
 「『東日流外三郡誌』公開以前の史料」『東京古田会ニュース』に投稿中。

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