第800話 2014/10/11

『古田史学会報』

  124号の紹介

 今日は某テレビ局特別番組制作スタッフの方から取材を受けました。わたしの「聖徳太子」に関する論文に興味を持たれ、来年放映予定の特別番組に取り入れたいとのこと。わたしの「出演」も要請され、協力を約束しました。
 古田史学や九州王朝説などの説明、『旧唐書』や『隋書』の倭国伝、『二中歴』の九州年号を紹介したところ、すぐにご理解いただき、「これほど明確な証拠があるのになぜ歴史学者は九州王朝を認めないのですか」と質問されました。わたしは各地で講演するたびに同様の質問を受けるのですが、「歴史の真実よりも、保身や出世、お金のほうが大切な学者が多いのです。そういう学者をわたしは御用学者とよんでいます」と返答しました。
 さらに、これまでも報道予定だった古田先生への取材・収録が番組編集段階で圧力がかかり、カットされたり、極端に短縮されたりしてきたことを伝えたのですが、その方は「わたしは真実を大切にしたい」と言われたので、今回の件がどのような結果になっても、これをご縁に今後もおつき合いしてほしいと述べ、快諾していただきました。とても有意義で楽しい取材体験となりました。

 『古田史学会報』124号が発行されましたので、ご紹介します。好論が集まり面白いものとなりました。正木さん岡下さんら常連組に服部さんが加わり、研究者層の厚みも増してきました。萩野さんの旅行記も楽しい内容です。服部稿は弥生時代の鉄器出土分布から「邪馬台国」畿内説が全く成立しないことがよくわかるデータも示されていおり、勉強になります。
 掲載テーマは次の通りです。会員の皆さんの投稿をお待ちしています。ページ数や編集の都合から、短い原稿の方が採用の可能性は高くなりますので、ご留意ください。

〔『古田史学会報』124号の内容〕
○前期難波宮の築造準備について  川西市 正木裕
○「邪馬台国」畿内説は学説に非ず  京都市 古賀達也
○「魏年号銘」鏡はいつ、何のために作られたか
   — 薮田嘉一郎氏の考えに従う解釈 京都市 岡下英男
○トラベルレポート出雲への史跡チョイ巡り行
 2014年5月31日~6月2日  東大阪市 萩野秀公
○鉄の歴史と九州王朝  八尾市 服部静尚
○好著二冊  川西市 正木 裕
○古田先生の奥様(冷*子様)の訃報 代表 水野孝夫
     冷*は三水編に令。ユニコード6CE0
     残念ですがインターネットでは表示できません。
○『古田史学会報』原稿募集
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会 関西例会のご案内
○編集後記  西村秀己

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