第1555話 2017/12/16

九州王朝系近江朝説のキーパーソン、倭姫王

 本日、「古田史学の会」関西例会がドーンセンターで開催されました。来年1月もドーンセンターです。2月は福島区民センターで、関西例会としては初めて使用する会場です。お間違えなきよう。
 今回も関西例会らしく優れた研究発表や厳しい討論が行われ、発表者も多いため時間ぎりぎりまで続きました。参加者も増えてきたため、定員40名の会場では足らなくなりそうです。
 今回の発表では、正木さんの九州王朝系近江朝研究の進展が衝撃的でした。『日本書紀』天智紀で、天智が称制から正式に天皇に即位した天智七年に皇后として登場した倭姫王こそ九州王朝(倭国)の姫であり、天智は倭姫王を皇后に迎えたことにより九州王朝(倭国)の権威を継承(不改常典の成立)したのではないかとされました。壬申の乱以後、倭姫王は『日本書紀』から消えますが、鹿児島県の『開聞古事縁起』によれば壬申の乱で都から逃げてきた大宮姫の伝承が記されており、その大宮姫こそ倭姫王ではないかとされました。これは『日本書紀』と地方伝承の対応という面白いテーマです。来年1月21日(日)の「古田史学の会」新春講演会ではもっと詳しく本テーマを講演していただきます。
 12月例会の発表は次の通りでした。このところ参加者が増加していますので、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。また、発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレスへ)か電話で発表申請を行ってください。

〔12月度関西例会の内容〕
①新唐書の目多利思比孤について(茨木市・満田正賢)
②隋書国伝「犬を跨ぐ」について(大山崎町・大原重雄)
③伊都国に常治したのは「一大率」ではない(姫路市・野田利郎)
④九州王朝説による(前期)難波宮造営の理由(八尾市・服部静尚)
⑤前期難波宮と「戊申年」木簡(神戸市・谷本茂)
⑥フィロロギーと古田史学【その7】(吹田市・茂山憲史)
⑦投馬国の里程について(川西市・正木裕)
⑧『日本書紀』天智紀の年次のずれについて(川西市・正木裕)

○正木事務局長報告(川西市・正木裕)
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