第30話 2005/09/22

浦島太郎の系図
 第27話で紹介しました浦島太郎の御子孫の森茂夫さん(会員・京都府網野町)から、『エプタ』(vol.23、2005/09)というきれいな雑誌が送られてきました。それには「日本昔話の世界」が特集されており、その冒頭に浦島太郎の系図がカラーで掲載されていました。
 説明によれば、森総本家に伝えられた系図で、家宝として「他見に及ばず」と未公開だったそうです。同誌への掲載が本邦初公開とのこと。その系図によれば、浦島太郎は日下部の姓を名乗っており、開化天皇の皇子、彦坐命の後胤と記されています。
 ただ、ややこしいことに、「日下部曽却善次」の下注に「亦の名を浦島太郎」とあり、その長男の「嶋児」が、いわゆる竜宮城へ行った有名な「浦島太郎」のこととなっています。ですから、系図によれば浦島太郎の長男の嶋児が竜宮城に行ったことになります。
 おそらく、後世に伝説が脚色されたりしながら、現在の説話へと変化したものと考えられます。したがって、逆にこの系図の信憑性が増すのではないでしょうか。もし、後世にでっちあげるのなら、有名な伝説と異なった系図を作ったりしないと思われるからです。
 『エプタ』にはこの他に桃太郎伝説やかぐや姫伝説などが取り上げられ、美しいカラーグラビアと共に、丁寧な取材記事が好印象を与えています。同誌は化粧品関連企業が発行している雑誌のようですが、企業広告は最小限に抑えられており、内容も充実した良い雑誌でした

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする