第2752話 2022/06/01

『東京古田会ニュース』No.204の紹介

 一昨日、『東京古田会ニュース』204号が届きました。拙稿「『歎異抄』と『古事記』の悪人」を掲載していただきました。拙稿では河田光夫さんの『親鸞と被差別民衆』(明石書店、1994年)に記された、親鸞の時代に「悪人」と呼ばれていたのは被差別民とする説を紹介しました。あわせて、『古事記』に見える「悪人」は、蝦夷や大和朝廷の敵対勢力であることも説明しました。「洛中洛外日記」でも紹介したところです(注①)。
 同号には注目すべき記事が掲載されていました。それは同会々長の田中巌さんの「会長独言」と泉英毅さん(渋谷区)の「メディアの見識」です。奈良新聞に大きく掲載された正木裕さん(古田史学の会・事務局長)の講演記事「『邪馬壹国九州説』有力」(注②)を両氏は高く評価されています。同記事掲載の背景には、講師の正木さんをはじめ古代大和史研究会(原幸子代表)や竹村順弘さん(古田史学の会・事務局次長)のご尽力があります。同時に、奈良県民が持つ歴史に対する深い知識や興味も反映していると思います。ちなみに、わたしが「市民の古代研究会」事務局長のときに都道府県別の会員数比率を調査したところ、奈良県が最も高い数値を示していました。

(注)
①古賀達也「洛中洛外日記」2584話(2021/09/30)〝親鸞『歎異抄』の「悪人」とは何か〟
 同「洛中洛外日記」2585話(2021/10/01)〝『親鸞と被差別民衆』の人間模様 ―河田光夫氏と古田先生、藤田友治さん―〟
 同「洛中洛外日記」2586話(2021/10/02)〝『古事記』の中の「悪人」〟
②同「洛中洛外日記」2651話(2021/12/29)〝奈良新聞に「邪馬壹国九州説」有力の記事〟

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