第313話 2011/04/17

雪より白き神の山

先日、仕事で石川県小松市を初めて訪れました。小松市と言えば、恥ずかしながら航空自衛隊の小松基地ぐらいしか知らなかったのですが、今回訪れて、当地が旧所名跡に溢れた歴史的にも由緒深い地であることを知ることができました。
たとえば、弁慶・義経主従が通った「勧進帳」で有名な安宅の関や、芭蕉も訪れて句を詠んだ多太神社などがあります。多太神社には斉藤実盛の兜が奉納され て いますが、実盛は高齢であることを敵にさとられないよう、白髪を墨で染めて戦陣に散った平家の武者です。この故事はわが国初の白髪染めとしても著名で、ヘ アカラーの研究者から講演などでよく紹介されます。芭蕉も多太神社の兜を拝観して、「むざんやな 兜の下の きりぎりす」という句を残しています。
古代史的に見れば、多太神社の創建年が武烈5年(503)とされていることが注目されます。継体天皇(即位以前)による創建と伝えられており、北陸地方における継体の影響力を考える上でも貴重な伝承と思われます。
小松市でわたしが最も感動したのは、純白の雪を冠していた白山の優美な姿でした。手前の山々が雪解けにより山肌が露出していたのに比べ、白山はその名の 通り真っ白だったのです。青空に映えたその美しさが今も忘れられません。麓の白山比?神社には姫神が祀られていると聞いていますが、御祭神の調査研究のた めにもいつか訪れてみたい神社の一つです。
そこで、わたしも芭蕉に倣って一句詠みました。「姫神は 雪より白き 神の山」。北陸地方は古代史上 の重要さに比べれば、古田史学・多元史観による研究が充分に進んでいるとは言えないようです。是非、現地の研究者が多元史観による古代の真実の解明に取り 組んでいただければ幸いです。

 

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