第960話 2015/05/26

丹後地方と名古屋の共通方言

NHK京都のニュース番組で、丹後地方と名古屋市の方言が似ていることから、両地域の関係を古代史を含めた専門家により研究が進められていると紹介されていました。
たとえば、「うみゃー(おいしい)」「どえりゃー(とても)」などの方言が両地域で使われているとのこと。また、弥生時代後期の丹後地方で作られた土器が名古屋市付近から出土しているそうです。ただし、方言の共通については、名古屋地方の有力大名の一色氏が丹後地方の一部を所領としていたことによると説明されていました。
方言を歴史研究に利用することは面白いテーマで、古田学派でも平田文男さんが「“たんがく”の“た”」(『古田史学会報』127号、2015.04)という筑後地方の方言に基づいた優れた研究を報告されています。他方、方言や地名を歴史研究に用いるとき、避けられない問題として、その方言や地名の成立がいつの時代まで遡ることができるか、それをどのように証明するのかというハードルがあります。地名や方言を歴史研究において自説の根拠とするアマチュアの論者は少なくありませんが、多くの場合、この問題を学問的にクリアできていないようです。
この地名などの成立時期を証明する学問的方法について、20年ほど前に古田先生と話し合った思い出がありますが、このことは別の機会にご紹介したいと思います。

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