日本最古の国宝「縄文のビーナス」
今日は東北新幹線やまびこ59号に乗って、福島に向かっています。東北新幹線に乗るのは、今年になってからは初めてです。座席に備えてある雑誌「トラン
ヴェール」5月号に縄文式土器が特集されていました。「~新潟・長野で知る、見る、感じる~ 感性に響く! 縄文の旅」というテーマですが、何ページにも
わたりカラーで掲載されている縄文式土器は圧巻です。「ご自由にお持ち帰りください」と表紙にありましたので、ありがたくいただきました。
特集の冒頭には新潟県出土の有名な火焔土器が飾られており、その造形美に圧倒されます。次いで、長野県茅野市出土の大型土偶「縄文のビーナス」が載せら
れています。説明によるとこの土偶は「日本最古の国宝」とのことで、約5000年前に作られたそうです。茅野市の尖石縄文考古館に展示されており、わたし
も30年ほど昔に同館を訪問し、見た記憶があります。おなかにはへその緒が表現されており、縄文時代が女性中心の社会だったことが想像されます。
長野県の八ヶ岳山麓に縄文文化が栄えた背景には、当地から出土する黒耀石が上げられますが、その国内有数の産地として有名な和田峠の近くにある星糞峠
(ほしくそとうげ)には縄文時代の黒耀石の鉱山跡があるそうです。この星糞(ほしくそ)とは当地の方言で、黒耀石のことだそうです。佐賀県吉野ヶ里遺跡に
も黒耀石の破片が散らばっていましたが、佐賀県では黒耀石のことを「からすんまくら」と呼ばれています。キラキラとひかる黒耀石を「星糞」と呼んだ信州の
人々の表現力に、縄文式土器の造形美に相通ずるものを感じました。
もうすぐ福島駅に到着です。福島で仕事をした後は山形市に行きます。それではまた。