「風土記」研究の難しさ
昨日、 「古田史学の会」関西例会が都島区民センターで開催されました。1月例会の会場は豊中自治会館です。翌日(1/19)は京都市(キャンパスプラザ京都)で新春古代史講演会を開催します。今回の講演テーマは人気が高いようで、連日、問い合わせ電話があり、南は佐賀県・福岡県、北は福島県の方からも、参加したいとの声が届いています。
今月、わたしは「王朝交代前夜の天武天皇 ―飛鳥・藤原木簡の証言―」を発表しました。これは先月発表した「九州王朝研究のエビデンス ―「天皇」木簡と金石文―」の続編です。飛鳥池から出土した「天皇」「○○皇子」木簡は天武とその子どもとされていますが、その天武が「壬申の乱」の勝者になった後、九州王朝から天皇号を認められたのはいつ頃からかについて論じました。
谷本さんの発表も感慨深いものでした。その内容はもとより、風土記研究の難しさ、なかでも風土記に見える未詳地名の研究が進んでいないことの言及には考えさせられました。谷本さんが所属している風土記学会も会員数が少なく、風土記研究はマイナーな分野のようでした。
来春発行する『列島の古代と風土記』(『古代に真実を求めて』28集、明石書店)の初校ゲラ校正作業を続けていますが、古田「風土記」論の概要を紹介した同書巻頭論文〝「多元史観」からみた風土記論 ―その論点の概要―」〟は谷本さんに執筆していただいたものです。確かに古田学派内でも「風土記」研究はあまり活発とは言えません。同書発行を期に、多元史観・九州王朝説に基づく多元的「風土記」研究が進むことを期待しています。
12月例会では下記の発表がありました。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。
〔12月度関西例会の内容〕
①『播磨国風土記』地名考(3)
―宍禾(シサハ)郡・柏野(カシハノ)里の地名(その2)― (神戸市・谷本 茂)
②船王後墓誌に出てくる三人の天皇について (茨木市・満田正賢)
③2024年古田学派YouTube動画について(報告) (東大阪市・横田幸男)
④王朝交代前夜の天武天皇 ―飛鳥・藤原木簡の証言― (京都市・古賀達也)
⑤もう一人の倭王と純陀太子 (大山崎町・大原重雄)
⑥「倭京」とタリシホコ 最終章 (東大阪市・萩野秀公)
⑦縄文語で解く記紀の神々 景行帝と倭健 (大阪市・西井健一郎)
⑧『法華義疏』の「大委」は国名ではなかった (姫路市・野田利郎)
○1/19新春古代史京都講演会と懇親会の案内 (代表・古賀達也)
□「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円
01/18(土) 10:00~17:00 会場 豊中自治会館 ※翌日1/19(日)は新春古代史講演会(京都)です。
02/15(土) 10:00~17:00 会場 豊中自治会館
03/15(土) 10:00~17:00 会場 豊中自治会館