『東日流外三郡誌の逆襲』
表紙カバー作成
八幡書店から発行される『東日流外三郡誌の逆襲』の最終校(第4校)を本日ようやく提出できました。『古代に真実を求めて』二冊分に相当する440頁の大部の著作ですので、校正のたびに新たな誤りが見つかり、いつまでこの作業を繰り返さなければならないのかと思いながら、体力と集中力をすり減らす日々が続きました。その作業からようやく解放されました。
それと同時に出版社から本のカバーデザインと帯のキャッチコピーが届きました。赤と黒を基調としたおどろおどろしい雰囲気の表紙カバーですが、書名や表紙デザインは出版社の判断によりますので、出版のプロの意見を尊重することにしました。
帯に記されたキャッチコピーは、わたしや古田先生の気持ちをよく表しており、ちょっと感動しました。それは次のような文章です。
「壁の外」に歴史はあった。
学界は長く、この書を「偽書」と断じてきた。
笑い、罵り、語る価値すらならいと切り捨ててきた。
だが、それでも足を止めなかった者たちがいる。
北の果て、語部の記録に宿った“もう一つの日本”。
――それは、封じられた真実か。それとも、壮大な反逆か。
いま、禁忌の書は再び開かれる。
すべては、壁の内側に飼い慣らされた歴史を打ち壊すために。
早ければ7月末、遅くとも8月中には刊行予定です。その後、9月には青森県弘前市で出版記念講演会(主催:秋田孝季集史研究会)を予定しています。10月には東京で八幡書店主催の出版記念講演会が予定されており、いずれもわたしと八幡書店の武田社長が出席します。
本書の発行に30年の歳月が必要でしたが、「この書を世に出すまで死ねない」という思いを抱いで今日に至りました。わたしは古田門下の中では、漢文や古典の教養も低く、先生からよく叱られた〝できの悪い弟子〟でした。それだけに、反古田学派の和田家文書偽作キャンペーンによる「市民の古代研究会」分裂騒動後、「古田史学の会」を創立し、一貫して古田史学と古田先生を支持してきたこと、それと本書の上梓を生涯の誇りとします。本書を志半ばで倒れた同志に捧げます。