『古田史学会報』104号の紹介
少し遅くなりましたが、6月5日発行の『古田史学会報』104号を御紹介します。今号の冒頭論文は正木さんの別系統九州年号「法興・聖徳・始哭」についての考察です。法興と聖徳は多利思北孤と利歌弥多弗利の法号とし、始哭は玉垂命の葬儀に関する記事の一部であり、九州年号ではないとするものです。一つの有力な理解と思われました。
西村稿と古賀稿は紙上論争です。こうした論争により、古田学派内の研究活動や会員の学問的興味が刺激されることが期待されます。
古谷稿は古谷さんの博学な知識に基づくもので、三角縁神獣鏡銘文の研究に寄与することが期待されます。
野田稿は関西例会でも発表されたもので、活発な質疑応答が展開されたテーマです。古田説とやや異なる内容でもあり、今後の展開が注目されます。
『古田史学会報』104号の内容
○九州年号の別系列(法興・聖徳・始哭)について 川西市 正木 裕
○乙巳の変は動かせる — 斎藤里喜代さんにお応えする 向日市 西村秀己
○三角縁神獣鏡銘文における「母人」「位至三公」について 枚方市 古谷弘美
○銀装方頭太刀について(小松町南川大日裏山古墳出土) 西条市 今井久
○再び内倉氏の誤論誤断を質す — 中国古代音韻の理解について 京都市 古賀達也
○「帯方郡」の所在地 −倭人伝の記述する「帯方」の探究− 姫路市 野田利郎
○卑弥呼の時代と税について 中国山東省曲阜市 青木英利
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会 関西例会のご案内
○古田史学の会会員総会・記念講演会のお知らせ
○『古代に真実を求めて』第14集・正誤表