古田史学会報一覧

第198話 2008/11/29

『古田史学会報』89号の紹介

 『古田史学会報』89号の編集が終わりました。今号には久しぶりに不二井伸平さんから力作が寄せられました。古田先生が提起された短里(1里=76〜 77m)の成立に関して、「動歩」と「静歩」という概念を提起され考察されてます。教師時代の経験なども踏まえた内容で、その是非を論じることは今のわたしにはできませんが、間違いなく優れた論稿です。わたしと正木さんからは大化改新に関する2編を掲載しました。こちらも自信作です。12月初旬の発行予定。お楽しみに。

 『古田史学会報』89号の内容
○大化二年改新詔の考察  京都市 古賀達也
○「藤原宮」と大化の改新についてIII
  ─何故「大化」は五〇年ずらされたのか─ 川西市 正木 裕
○「動歩」と「静歩」  交野市 不二井伸平
○伊倉 7 ─天子宮は誰を祀るか─  武雄市 古川清久
○第一八回 河野氏関係交流会参加と伊予西条の遺跡を訪ねて
   豊中市 木村賢司
○古田史学の会 新年賀詞交換会を開催します
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会 関西例会のご案内


第191話 2008/10/05

『古田史学会報』88号の紹介

  『古田史学会報』88号の編集が終わりました。今号も古田先生から原稿をいただけました。会報でも紹介していますが、十月十八〜十九日、愛知教育大学 (愛知県刈谷市)で開催される日本思想史学会二〇〇八年大会において、古田先生が発表されます。発表は大会二日目十九日(日)の午後の部で、テーマは「日本思想史学批判─『万世一系』論と現代メディア─」です。大会参加費は二〇〇〇円。是非、ご参加下さい。

『古田史学会報』88号の内容

 ○生涯最後の実験 古田武彦
 ○新刊紹介 奪われた国歌「君が代」 古田武彦著 情報センター出版局刊  一四〇〇円+税
 ○「藤原宮」と大化の改新についてII —皇極紀における「造宮」記事— 川西市 正木 裕
 ○「バルディビアへの旅」その後 豊中市 大下隆司
 ○古田史学「林間雑論会」実施報告 豊中市 木村賢司
 ○菅江真澄にも見えていた「東日流の風景」 奈良市 太田齊二郎
 ○『日本書紀』の西村命題 京都市 古賀達也
 ○大山祇神社の由緒・神格の始源について —九州年号を糸口にして— 松山市 八束武夫
 ○連載小説「彩神」第十二話 シャクナゲの里(7) 深津栄美
 ○例会発表のコツ 京都市 古賀達也
 ○日本思想史学会 十月十八〜十九日 古田武彦氏が発表
 ○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
 ○古田史学の会 関西例会のご案内
 ○事務局便り


第183話 2008/08/02

『古田史学会報』87号の紹介

 ようやく『古田史学会報』87号の編集が終わりました。今号は古田先生から原稿をいただけました。松山市の八束さんは会報デビューです。

 最近、投稿が増えていますので、ページ数の制限から、短い原稿の方が早く掲載されます。冗長な論文は避けた方が懸命です。自然科学でもネーチャー誌などに掲載されたノーベル賞論文は切れ味鋭くシャープで短いものが少なくありません。例えば、ワトソン等のDNA二重螺旋の論文はたったの2ページですが、それでノーベル賞をもらっています。見習っていただければと思います。どうしても長くならざるを得ないものは、『古代に真実を求めて』に投稿して下さい。意外と採用されますよ。

 『古田史学会報』87号の内容
  ○「遠近法」の論理—再び冨川さんに答える— 古田武彦
  ○祭りの後—「古田史学」長野講座— 京都市 松本郁子
  ○『越智系図』における越智の信憑性—『二中歴』との関連から— 松山市 八束武夫
  ○「藤原宮」と大化の改新について I—移された藤原宮記事— 川西市 正木 裕
  ○伊倉6—天子宮は誰を祀るか— 武雄市 古川清久
  ○連載小説「彩神」第十二話 シャクナゲの里(6) 深津栄美
  ○古田史学の会 二〇〇八年六月十五日 会員総会の御報告
  ○古田史学の会 関西例会のご案内
  ○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
  ○『なかった 真実の歴史学』第五号 ミネルヴァ書房
   直接編集 古田武彦 総力特集●大化改新批判 定価二二〇〇円+税


第177話 2008/05/25

『古田史学会報』86号の紹介

 昨日はミネルヴァ書房の方とお会いして、古田史学の会の2008年度事業の一つとして、「九州年号の研究」(仮称)という本の発行について相談しました。九州年号研究論文と同データベースを収録した最高水準の本になります。古田史学の会々員の皆さまには無料で進呈する予定です。あわせて、全国の主要図書館へも贈呈を検討しています。この10年間、九州年号に関する本格的な書籍が出ていませんので、今回の出版企画は日本古代史界にもインパクトを与えると 思います。
 ようやく、『古田史学会報』86号の編集が終わりました。6月6日発行予定です。お楽しみに。

『古田史学会報』86号の内容
○古写本「九州年号」の証言  京都市 古賀達也
○伊倉5 ─天子宮は誰を祀るか─  武雄市 古川清久
○自我の内面世界か俗流政治の世界か
    ─漱石『心』の理解をめぐって(その三)─  豊中市 山浦 純
○伊勢王と筑紫君薩夜麻の接点  川西市 正木 裕
○「白鳳以来、朱雀以前」考
─『続日本紀』神亀元年、聖武詔報の新理解─ 京都市 古賀達也
○「トロイの木馬」メンテナンス  相模原市 冨川ケイ子
○わたしの古代史仮説  奈良市 水野孝夫
○古田史学の会 二〇〇八年度会員総会・講演会のお知らせ
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会 二〇〇八年度会費お支払いのお願い


第167話 2008/03/30

『古田史学会報』85号の紹介

 毎週木曜日の夜10時に放送されていた「鹿男あおによし」(フジテレビ)が終了しました。卑弥呼の時代から生きている奈良の鹿が人間の言葉を喋り出すという、楽しいフィクションでしたが、そのドラマのキーアイテムが、なんと三角縁神獣鏡。と言っても、よく見ると三角縁画像鏡のたぐいでしたが、古代史がらみという意味では、珍しいドラマでした。舞台も、奈良・京都・大阪と土地勘のある場所で、奈良文化財研究所や黒塚古墳、高松塚古墳なども登場し、毎回、楽しみに見ていました。ただ、「邪馬台国」畿内説を前提とした点は不満でしたが、この番組が縁で、古代史に興味を持つ人が増えればいいなと思います。

   さて、『古田史学会報』85号の編集が終わりました。4月8日発行です。古田先生や松本郁子さんの寄稿もあって、充実した内容となっています。お楽しみに。

『古田史学会報』85号の内容
○アガメムノン批判 ー冨川さんの反論に答えてー  古田武彦
○松本からの報告ー古田武彦講演
「学問の独立と信州教育の未来」  京都市 松本郁子
○常色の宗教改革  川西市 正木 裕
○インターネット異次元へ
「新・古代学の扉」を古田学派のデータベースへ
インターネット事務局 横田幸男
○伊倉4 ー天子宮は誰を祀るかー  武雄市 古川清久
○前期難波宮は九州王朝の副都  京都市 古賀達也
○古田史学の会 二〇〇八年度会員総会・講演会のお知らせ
○新刊のご案内『古代に真実を求めて』第十一集 古田史学の会編
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・書籍部 書籍特価販売のお知らせ
○古田史学の会 二〇〇八年度会費お支払いのお願い


第158話 2008/02/03

『古田史学会報』84号の紹介

 『古田史学会報』84号の編集が終わりました。2月11日の発行予定です。本号の特におすすめは冨川ケイ子さんと松本郁子さんの2稿です。冨川稿は、古田先生のソクラテス研究に触発され発見されたテーマで、関西例会でも好評を得たものです。松本さんは松本深志高校時代の古田先生に触れた紀行文で、古田ファン必見の一文でしょう。ご期待下さい。

○トロイの木馬 相模原市 冨川ケイ子
○新刊紹介『なかった 真実の歴史学』第4号 古田武彦 直接編集
○明日香皇子の出征と書紀・万葉の分岐点 川西市 正木 裕
○自我の内面世界か俗流政治の世界か
  ─漱石『心』の理解を巡って(二)─ 豊中市 山浦 純
○連載小説「彩神」第十二話
  シャクナゲの里(5) 深津栄美
○松本深志の志に触れる旅
  ―輝くすべを求めて― 京都市 松本郁子
○高良大社系古文書と九州王朝系図 奈良市 飯田満麿
○【書評】松本郁子著
  『太田覚眠と日露交流─ロシアに道を求めた仏教者』(古賀達也)
○年頭のご挨拶 三人寄れば文殊の知恵 古田史学の会代表 水野孝夫
○古田史学の会入会のご案内
○古田史学の会ホームページ『新・古代学の扉』紹介
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・書籍部 書籍特価販売のお知らせ
○事務局便り


第153話 2007/11/25

『古田史学会報』83号の紹介

 『古田史学会報』83号の編集がほぼ終わりました。12月初旬の発行予定です。今号にはめずらしく文芸評論ともいうべき山浦さんの原稿を掲載しました。 『なかった』創刊号、二号に掲載された田遠清和氏の論文「『心』という迷宮−漱石『心』論」への批判です。どちらの説が正しいかは読者の判断に委ねますが、今後の論争の展開が楽しみです。

               
  ○北九州の古代を訪ねて
    古田史学の会・四国 副会長 阿部誠一
  ○コバタケ珍道中(九州編)  木津川市 竹村順弘
  ○薩夜麻の「冤罪」III  川西市 正木 裕
  ○淡海をはしる  京都市 古賀達也
  ○自我の内面世界か俗流政治の世界か
    ─漱石『心』の理解を巡って(一)─  豊中市 山浦 純
  ○伊倉 3 ─天子宮は誰を祀るか─  武雄市 古川清久
  ○林俊彦さんとのえにし 早すぎる古代史の戦士の死
    東大阪市 横田幸男
  ○林俊彦さんを悼む  古田史学の会代表 水野孝夫
  ○古田史学の会 関西例会のご案内
  ○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
  ○古田史学の会・書籍部 書籍特価販売のお知らせ
  ○古田武彦氏新年講演会のご案内
  ○古田史学の会入会のご案内
  ○事務局便り


第146話 2007/09/24

『古田史学会報』82号のご案内

 9月下旬だというのに、きびしい残暑が続いています。昨夕から京都では雨が断続的に降りだし、変な気候です。
 『古田史学会報』82号の編集が完了しました。10月10日が発行予定日です。今号は古川さんによる「天子宮」調査続報が冒頭を飾っています。九州一円の天子宮調査は、学問の方法論的にも快挙ではないでしょうか。
 正木さんも快調に好論をものにされ、特に「白雉年間の難波副都建設と評制の創設について」は注目すべき論稿です。ご期待下さい。

〔『古田史学会報』82号の目次〕
○ホームページ「有明海・諫早湾干拓リポート号外」より転載
  伊倉2 ─天子宮は誰を祀るか─  武雄市 古川清久
○薩夜麻の「冤罪」II 川西市 正木 裕
○「オオスミ」の国  奈良市 水野孝夫
○「カヤ」と「アヤ」
  アイヌ語(縄文語)地名としての考察 仙台市 菊地栄吾
○白雉年間の難波副都建設と評制の創設について 川西市 正木 裕
○ホームページ「古賀事務局長の洛中洛外日記」より転載
  第140話 2007/08/26「天下立評」京都市 古賀達也
○連載小説「彩神」第十二話
  シャクナゲの里 (4) 深津栄美
  ***古田武彦『古代は輝いていた』より***
○—誰がいつ、伊勢神宮を創ったかII—
  二、倭姫巡幸III、「美和御諸宮から宇太阿貴宮へ」 大阪市 西井健一郎
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○お知らせ 10/21 古田武彦氏豊中講演会
○お知らせ 1/19 古田武彦氏新年講演会


第137話 2007/08/13

薩夜麻「冤罪」説
 お盆休みは、ご近所のトヨタレンタカー河原町店からプリウスを借りて、丹後半島にでも行くつもりでしたが、あいにく連
休中は車の予約がいっぱいで、まだ行けないでいます。なにせ、教習所の車以外では、社用車のプリウスと、レンタカーのヴィッツしか運転したことがなく、他
の車種は慣れていないのでまだ借りる気がしません。

 さて、「古田史学の会」では近年優れた研究者を輩出していますが、「天子宮」研究の古川さんと共に、『古田史学会報』81号には正木裕さん(川西市在住)の「薩夜麻冤罪説」という優れた論稿が掲載されています。
 
『日本書紀』では、部下を奴隷に売って、自らは帰国した不名誉な役割を与えられている筑紫君薩野馬ですが、古田説では九州王朝最後の天子とされています。
この不名誉な記事が、『日本書紀』編者による「冤罪」であることを論証されたのが、この正木稿なのです。81号には前編が掲載されており、後編がますます
楽しみです。
 このように「古田史学の会」には九州の古川さん、関西の正木さん、そして関東には数々の好論を発表されてきた冨川さん(相模原市在住)がおられ、論客が
群雄割拠の状況です。このところ研究が滞っている私を尻目に、こうした会員による優れた研究が陸続と続く古田史学・多元史観の底力は恐るべし、です。まさ
に、歴史学のパラダイムシフトが今おこっているのです。


第136話 2007/08/12

天子宮
 
九州には熊本県などに多数の「天子宮」が分布しています。以前からこの事実が気になっていましたが、端的に言えば九州王朝説でなければ説明できない「事
実」ではないでしょうか。この天子宮問題に九州王朝説の立場から果敢に挑戦されているのが、古川清久さん(本会会員、武雄市在住)です。その研究成果が
『古田史学会報』81号より連載開始となりました。

 
私としては『隋書』に記された倭国の天子、多利思北孤と関係するのではないかと想像していますが、それは『隋書』に阿蘇山が紹介されていることと、天子宮
が熊本県に濃密に分布していることによります。古川さんの天子宮の基礎研究とも言える連載、「伊倉─天子宮は誰を祀るか─」ではどのような結論になるのか
楽しみです。まずは天子宮の精密な分布状況と祭神、伝承の調査が望まれるところです。
    「天子宮」は、「古田史学の会」九州の論客、古川さんならではの未踏の研究テーマと言えるでしょう


第135話 2007/08/05

『古田史学会報』81号のご案内

  台風が去り、京都は蒸し暑い日が続いています。祇園祭も終わり、次は五山の送り火ですが、わたしは若い頃、如意ヶ岳の大文字に点火した経験があります。午前中から山に登り、用意された松の割り木を井桁に組んで、夜になるまで山で待つのですが、暑い最中ですから、これも結構体力勝負でした。今はとてもそんな気力はありませんので、近所の鴨大橋から眺めるだけとなっています。

 昨今、またまた太宰府から木柱跡や漆紙文書が出土していますが、これらも興味深いところです。さて、『古田史学会報』81号の編集が遅れに遅れて、今日ようやく完成しました。今号は久しぶりに古田先生から原稿をいただきました。ご期待下さい。
 
〔『古田史学会報』81号の目次〕
寛政原本と古田史学 古田武彦
○「安倍次郎貞任遺文」と福沢諭吉『学問のすすめ』
   ─『東日流外三郡誌』真贋論争に関連し─奈良市太田齊二郎
○エクアドルの地名 
菊池栄吾氏「バルディビア旅行で考えたこと」(会報八〇号)を読んで
    豊中市 大下隆司
○ホームページ「有明海・諫早湾干拓リポート号外」より転載
    伊倉─天子宮は誰を祀るか─武雄市 古川清久
○薩夜麻の「冤罪」 I 川西市 正木 裕
○古田史学の会 第十三回会員総会の報告
○古田史学の会 関西例会のご案内
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○お知らせ 10/21古田武彦氏豊中講演会
○「和田家資料4『北斗抄』十〜総結」の紹介


第131話 2007/06/02

『古田史学会報』80号のご案内

 このところ、仕事が忙しくて会の活動を大下さん(事務局次長)に任せきりで、申し訳なく思っています。そんな中、ようやく『古田史学会報』80号の編集が完了しました。掲載稿は次の通りです。個人的には新たな論文が書けず残念ですが、その分、他の執筆陣に頑張っていただき、内容的には豊富なものとなりま した。

○続・「バルディビアへの旅」
   九州の甕棺と縄文土器 豊中市 大下隆司
○九州年号で見直す斉明紀
    安倍比羅夫蝦夷討伐と有間皇子の謀反 川西市 正木 裕
○太田覚眠研究の現在と未来
    —さらなる探求の門出に際して— 松本郁子
○素人手作り「古田史学会報」冊子 豊中市 木村賢司
○連載小説「彩神」第十二話
    シャクナゲの里(3) 深津栄美
    ***古田武彦『古代は輝いていた』より***
○古田武彦氏講演会のご案内
○バルディビア旅行で考えたこと 仙台市 菊地栄吾
○「古田史学会報」冊子 I〜Vをさーと見ての私の思い出 豊中市 木村賢司
○「私考・彦島物語 II・外伝2 多紀理媛と伊勢神宮1」
     —誰がいつ、伊勢神宮を創ったか1—
一、倭・笠縫邑のヒモロギ 大阪市 西井健一郎
  ○本会ホームページ「古賀事務局長の洛中洛外日記」より
    藤原宮出土木簡の考察 京都市 古賀達也