古田史学の会一覧

第1631話 2018/03/24

『発見された倭京 太宰府都城と官道』発刊

 「古田史学の会」の会誌『古代に真実を求めて』21集『発見された倭京 太宰府都城と官道』が明石書店から発刊されました。「古田史学の会」2017年度賛助会員へは明石書店から順次発送されますので、しばらくお待ちください。一般会員は書店やアマゾンでお取り寄せください。「古田史学の会」でも会員特価販売しますので、注文方法等については『古田史学会報』4月号をご参照ください。
 ご参考までに、同書「巻頭言」を転載します。

〔巻頭言〕
真実は頑固である
      古田史学の会・代表 古賀達也

 「真実は頑固である」。恩師、古田武彦先生が生前に語っておられた言葉だ。その意味するところは明確である。いかなる権力者であっても、あるいは学界の権威とされる学者であろうとも、歴史の真実を隠し通すことはできない。失われたかに見える歴史の真実は、姿や場所を変えながらも、時を得て、人々の眼前に復活する。古田先生はかたくそう信じておられた。わたしも信じている。
 たとえば、『日本書紀』。養老四年(七二〇)に近畿天皇家が自らの歴史的正統性を宣言した「史書」だ。いわく、わが王朝は天孫降臨に淵源を持ち、初代の神武天皇は奈良の橿原宮で天下に君臨した、とする。しかし、その内実は先在した九州王朝(倭国)の存在を隠し、自らが神代の時代から日本列島内唯一無二の王朝であるという歴史造作の「史書」であった。この歴史の真実を隠蔽した「史書」の目的は達成されたかに見えた。その歴史観が千数百年の永きにわたり日本古代史の「真実」とされてきたからだ。
 それでも、真実は頑固である。古田武彦という希代の歴史学者の登場により、『日本書紀』が隠し通そうとした九州王朝(倭国)の真実の姿が明らかにされたのである。そして、古田先生が没した翌年の二〇一六年、九州王朝の都(太宰府)を防衛する巨大羅城(筑紫土塁)がその片鱗を現した。当地では平野部を横断する水城、国内最大の山城である大野城を始め基肄城や阿志岐山城の存在が知られていた。いずれも太宰府防衛のための軍事施設である。これだけの巨大防衛施設群に囲まれた都城は、日本列島内では太宰府だけだ。もちろん、近畿天皇家が居した大和からは、このような巨大防衛施設は発見されていない。太宰府が九州王朝(倭国)の首都であることを、これら巨大遺跡は示し続けていたのだ。そして今回の筑紫土塁の出現は、歴史の真実を隠し通すことは不可能であることを改めて示したものといえよう。
 他方、人間はときに愚かである。九州王朝実在の歴史的証言者たる筑紫土塁は、こともあろうに九州王朝の末裔ともいえる当地の行政(筑紫野市)により破壊される運命となった。わたしたちは歴史の証言者(筑紫土塁)を護ることができなかった。真実を愛する後世の人々に対して、このことをわたしたちの世代は恥じねばならず、土塁を築いた古代の筑紫の人々に対して詫びなければならない。無念である。
 しかし、それでもいう。真実は頑固である。破壊された筑紫土塁になり代わって、その存在と土塁が護ろうとした九州王朝(倭国)の都、太宰府都城の真実を解明し、後世に語り継ぐべく、一冊の書籍をわたしたちは世に残した。それが本書『発見された倭京 太宰府都城と官道』である。本書には「古田史学の会」の研究者により著された「太宰府新論」とも言うべき論稿を収録した。それは従来の大和朝廷支配下の一地方都市としての「大宰府」論ではない。日本列島の代表者として紀元前から七世紀末まで中国の歴代王朝と交流した九州王朝(倭国)の首都としての太宰府の真実を明らかにするべく著された研究論文群である。
 更に、その太宰府を起点として全国に張り巡らされた官道に関する先駆的かつ秀逸の論稿も収録し得た。これら多元的古代官道研究の進展により、九州王朝研究の裾野は広がりを持ち、その権力範囲や統治機構についても立体的に把握することが可能となるであろう。
 この真実の歴史の証言である一冊を、現代と後世の古代史ファンと研究者に贈りたい。そして、「真実は頑固である」との古田武彦先生の言葉が“嘘”ではなかったことを読者は知るであろう。わたしたち多元史観・古田学派の研究者は、これからも真実に頑固であり続けたいと願っている。(平成三十年一月二八日、筆了)

〔追補〕「太宰府」の表記については、現地地名の「太宰府」と『日本書紀』の「大宰府」があるが、本書においては、どちらの表記を使用するかは各執筆者の判断に委ねた。古田学派としては、古田武彦氏の使用例に倣い、九州王朝(倭国)の都を意味する場合は「太宰府」を用いることが慣例である。


第1628話 2018/03/17

斉明紀「狂心の渠」は隈ノ上川(うきは市)

 本日、「古田史学の会」関西例会がエル大阪で開催されました。谷本茂さんからは拙論「『論語』の二倍年暦」についてのご批判をいただきました。残念ながら質疑応答の時間がとれませんでしたので、次回例会でわたしから拙論の論理構造の説明と反論を行いたいと思います。
 今回の発表の中では、正木裕さんの斉明紀「狂心(たぶれごころ)の渠(みぞ)」は隈ノ上川(うきは市。くまのうえ川)とする研究に驚きました。『日本書紀』斉明紀には九州王朝の歴史記事が転用されており、「狂心の渠」記事もその一例と、古田先生は指摘されていました。その指摘を受けて、わたしは「狂心の渠」を、福岡県浮羽郡で「天の長者」が造ったと伝承されている「天の一朝堀」という巨大な堀跡(現在は埋められている)とする説を発表したことがあります(「天の長者伝承と狂心の渠」、『古田史学会報』40号所収。2000年10月)。今回の正木説では同じく現うきは市を東南から北西へ流れ、筑後川に合流する隈ノ上川を「狂心の渠」とされました。当地の有名な山北石の産地から杷木神籠石や高良山神籠石に石材を運搬するために構築された運河が隈ノ上川(「狂心の渠」)とするもので、わたしの説よりも有力な仮説と思いました。『古田史学会報』での発表が待たれます。
 3月例会の発表は次の通りでした。発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。また、発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレスへ)か電話で発表申請を行ってください。

〔3月度関西例会の内容〕
①評制の展開 -堀川徹氏の論考を検証する-(八尾市・服部静尚)
②大国主の袋と土偶の頭部表現について(大山崎町・大原重雄)
③倭の国々の王(姫路市・野田利郎)
④『江嶋縁起』に見る倭国(九州)年号(相模原市・冨川ケイ子)
⑤『書紀』斉明紀の「田身嶺と狂心(たぶれごころ)の渠」の検証(川西市・正木裕)
⑥ホデリの正体(東大阪市・萩野秀公)
⑦倭人伝・投馬国はどこか(宝塚市・藤田 敦)
⑧『論語』の「二倍年暦」をめぐって(神戸市・谷本茂)

○正木事務局長報告(川西市・正木裕)
 3/18久留米大学講演会(講師派遣:正木、服部、古賀)・「誰も知らなかった古代史」(森ノ宮)3/23服部静尚さん「ポルトガルの宣教師が見た安土桃山時代の日本」の案内、2/23安村俊史さん(柏原市歴史資料館館長)「七世紀の難波から飛鳥への道」の報告・新入会員の紹介・『古代に真実を求めて』21集「発見された倭京 太宰府都城と官道」の発行記念講演会の準備(9/09大阪i-siteなんば、他)、5/25プレ記念セッション(森ノ宮)・東京古田会、多元的古代研究会で「八王子セミナー」企画中・6/17「古田史学の会」会員総会と記念講演会(講師:東京天文台の谷川清隆氏)・3/13和泉史談会で服部さんが講演「邪馬台国はどこだ」・「古田史学の会」関西例会会場、4月は福島区民センター、5月はドーンセンター、6〜9月はi-siteなんば・その他


第1619話 2018/03/01

2月に配信した「洛中洛外日記【号外】」

 2月に配信した「洛中洛外日記【号外】」のタイトルをご紹介します。
 配信をご希望される「古田史学の会」会員は担当(竹村順弘事務局次長 yorihiro.takemura@gmail.com)まで、会員番号を添えてメールでお申し込みください。
 ※「洛中洛外日記」「同【号外】」のメール配信は「古田史学の会」会員限定サービスです。

《2月「洛中洛外日記【号外】」配信タイトル》
2018/02/01 『東京古田会ニュース』No.178のご紹介
2018/02/09 『季刊考古学』142号を購入
2018/02/20 岐阜市立中央図書館を初訪問
2018/02/24 「邪馬台国」畿内説の論理


第1606話 2018/02/17

縄文土器の「イザナギ・イザナミ」神話

 本日、「古田史学の会」関西例会が大阪市福島区民センターで開催されました。関西例会としては初めて使用した会場です。今回は10名の発表があるため、冒頭に司会の西村秀己さんから「発表は質疑応答を含めて30分で行うこと。質問も長くなるものや余計なものはしないこと」と釘が刺されて例会が始まりました。これはいつも論議を長引かせるわたしへの「牽制」と思われました(苦笑)。
 今月発行の『古田史学会報』144号で会報デビューされたばかりの大原さんから驚愕の研究が報告されました。記紀に記されたイザナギとイザナミの神話の淵源が縄文時代に遡り、その痕跡が縄文土器にあったとするものです。新潟県井の上遺跡出土の「人体文土器」(縄文中期〜後期)にある男性と女性の図柄がイザナギとイザナミの神話を示しているとされました。驚くべき仮説ですが、根拠も論理性も明瞭な研究でしたので、『古田史学会報』への投稿を要請しました。それにしても、すごい研究が現れたものだと驚きました。
 2月例会の発表は次の通りでした。発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。また、発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレスへ)か電話で発表申請を行ってください。

〔2月度関西例会の内容〕
①『日本書紀』の中の百姓(八尾市・服部静尚)
②住吉神社は「一大率」であった。の補足(奈良市・原幸子)
③短里の使用に関する一考察(茨木市・満田正賢)
④縄文にいたイザナミ・イザナギ(大山崎町・大原重雄)
⑤黒塚古墳と椿井大塚山古墳の三角縁神獣鏡(京都市・岡下英男)
⑥倭人伝・二十一国のありか(宝塚市・藤田 敦)
⑦伊都国の「世有王」の再考(姫路市・野田利郎)
⑧フィロロギーと古田史学【その9】(吹田市・茂山憲史)
⑨「アタ」の地の特定(東大阪市・萩野秀公)
⑩倭国(九州王朝)の新羅への白村江前の対応(川西市・正木裕)

○正木事務局長報告(川西市・正木裕)
 1/21新春古代史講演会の報告・3/18久留米大学講演会の決定(講師派遣:正木、服部、古賀)・「誰も知らなかった古代史」(森ノ宮)の報告と案内、2/23安村俊史柏原市歴史資料館館長「七世紀の難波から飛鳥への道」・『古田史学会報』144号発行・会費入金状況・新入会員の紹介・『古代に真実を求めて』21集「発見された倭京 太宰府都城と官道」の編集状況・服部さんが和泉史談会で講演・1/28京都地名研究会(龍谷大学)で沖村由香さん(九州古代史の会・会員)講演・「古田史学の会」関西例会の会場3月はエル大阪(京阪天満橋駅西300m)・その他


第1605話 2018/02/15

『古田史学会報』144号のご案内

 『古田史学会報』144号が発行されましたので、ご紹介します。

 今号には出色の論文、正木さんの「多元史観と『不改の常典』」が一面を飾りました。古代史学界で永く論争が続き、未だ定説の出現を見ないテーマ、「不改の常典」を九州王朝説(九州王朝系近江朝説)から論じたもので、『日本書紀』や『続日本紀』に見える「定策禁中」をキーワードに、優れた仮説の提起に成功されています。今後、古田学派内で「不改の常典」を論じる際、この正木論文を避けては通れないでしょう。

 奈良市の原さん、大山崎町の大原さんは会報初登場です。いずれも「関西例会」での発表を投稿していただいたものです。これからも例会の常連や新人の投稿をお待ちしています。

 今号に掲載された論稿は次の通りです。

『古田史学会報』144号の内容
○多元史観と『不改の常典』 川西市 正木裕
○須恵器窯跡群の多元史観 -大和朝廷一元史観への挑戦- 京都市 古賀達也
○住吉神社は一大率であった 奈良市 原 幸子
○隋書国伝「犬を跨ぐ」について 乙訓郡大山崎町 大原重雄
○四国の高良神社 -見えてきた大宝元年の神社再編- 高知市 別役政光
○「壱」から始める古田史学(14)
「倭国大乱」-范曄の『後漢書』と陳寿の『魏志倭人伝』
- 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○平成三〇年(二〇一八)新年のご挨拶
古田先生三回忌を終え、再加速の年に 古田史学の会・代表 古賀達也
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○お知らせ「誰も知らなかった古代史」セッション
○古田史学の会・関西例会のご案内
○『古田史学会報』原稿募集
○編集後記 西村秀己


第1602話 2018/02/10

【緊急告知】3/18久留米大学で講演

 3月18日(日)午後、久留米大学(御井キャンパス)で講演会の企画が進んでいます。「古田史学の会」からは正木裕さん(古田史学の会・事務局長)と服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)とわたしの三人が講演します。演題は次の通りです。詳細が決まりましたら、ご案内します。

①古賀達也「九州王朝の都市計画 ここまでわかった太宰府と難波京」
②服部静尚「古代瓦の変遷と飛鳥寺院の研究」
③正木 裕 「太宰府にきたペルシャの姫と薩摩に帰ったチクシの姫」


第1592話 2018/01/31

1月に配信した「洛中洛外日記【号外】」

 1月に配信した「洛中洛外日記【号外】」のタイトルをご紹介します。
 配信をご希望される「古田史学の会」会員は担当(竹村順弘事務局次長 yorihiro.takemura@gmail.com)まで、会員番号を添えてメールでお申し込みください。
 ※「洛中洛外日記」「同【号外】」のメール配信は「古田史学の会」会員限定サービスです。

《1月「洛中洛外日記【号外】」配信タイトル》
2018/01/02 『古代に真実を求めて』21集のタイトル案
2018/01/14 『九州倭国通信』No.189のご紹介
2018/01/17 壱岐のカラカミ遺跡から「周」刻銘土器出土
2018/01/21 新春古代史講演会でご挨拶
2018/01/25 ユーチューバー募集
2018/01/28 『古代に真実を求めて』21集のタイトル決定


第1591話 2018/01/29

『古代に真実を求めて』21集の目次

 『古代に真実を求めて』21集のタイトルを「発見された倭京 太宰府都城と官道」とすることに決定しました。現在、校正と編集作業が進められています。順調にいけば三月末頃には発刊できる見通しです。「古田史学の会」2017年度賛助会員には1冊進呈いたします。大手書店やアマゾンでも購入できます。
 目次は下記の通りで、優れた論文や興味深いコラムなどが収録されています。多元的太宰府研究と九州王朝官道研究の最新論文集です。お楽しみに。

古代に真実を求めて第二十一集

発見された倭京

発見された倭京
–太宰府都城と官道

『発見された倭京 太宰府都城と官道』

巻頭言 「真実は頑固である」  古賀達也
 
Ⅰ「九州王朝説による太宰府都城の研究」

太宰府都城と羅城        古賀達也
倭国の城塞首都「大宰府」    正木 裕
都督府の多元的考察       古賀達也
大宰府の政治思想        大墨伸明
太宰府条坊と水城の造営時期   古賀達也
太宰府都城の年代観(近年の研究成果と九州王朝説) 古賀達也
太宰府大野城の瓦        服部静尚
条坊都市の多元史観―太宰府と藤原宮の創建年― 古賀達也
観世音寺の「碾磑」について   正木 裕
よみがえる「倭京」大宰府―南方諸島の朝貢記録の証言― 正木 裕

【コラム】「竈門山旧記」の太宰府
 【コラム】三山鎮護の都、太宰府
 【コラム】『養老律令』の中の九州王朝
 【コラム】太宰府条坊の設計「尺」の考察
 【コラム】牛頸窯跡出土土器と太宰府条坊都市
 【コラム】太宰府政庁遺構の字地名「大裏」

Ⅱ「九州王朝の古代官道」

五畿七道の謎          西村秀己
「東山道十五国」の比定     山田春廣
南海道の付け替え        西村秀己
風早に南海道の発見と伊予の「前・中・後」 合田洋一
古代官道―南海道研究の最先端(土佐国の場合)― 別役政光
  古代官道は軍事ハイウェイ  肥沼孝治

 【コラム】東山道都督は軍事機関
 【コラム】長宗我部地検帳に見る「大道」
 【コラム】九州王朝は駅鈴も作ったか

一般論文

倭国(九州)年号建元を考える  西村秀己
前期難波宮の築造準備について  正木 裕
古代の都城―宮域に官僚約八千人― 服部静尚
太宰府「戸籍」木簡の考察 付・飛鳥出土木簡の考察 古賀達也

【フォーラム】
九州王朝の勢力範囲       服部静尚

古田史学の会・会則
全国世話人・地域の会名簿
編集後記 


第1581話 2018/01/20

モンゴルで後漢時代の銘文発見

 本日、「古田史学の会」関西例会がドーンセンターで開催されました。2月は福島区民センターで、関西例会としては初めて使用する会場です。お間違えなきよう。地図を『古田史学会報』2月号に掲載予定です。
 正木事務局長による「会務報告」では、モンゴルの砂漠の岩壁から後漢時代の銘文「匈奴遠征の詩」発見のニュースが紹介されました。『後漢書』に記録された内容通りの銘文が発見されたことは、『後漢書』や『三国志』など中国史書の記事の信憑性が高いことを指し示し、倭人伝の記事は信用できるとした古田先生の「『三国志』の著者、陳寿を信じ通す」という姿勢が正しかったことを改めて証明することとなりました。
 1月例会の発表は次の通りでした。発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。また、発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレスへ)か電話で発表申請を行ってください。

〔1月度関西例会の内容〕
①『翰苑』の「哥彌多弗利(高松市・西村秀己)
②伊都国の「世々王有り」の疑問(姫路市・野田利郎)
③反論に答えて -奈良盆地での近畿王権成立は困難 -(奈良市・原幸子)
④「河内戦争」に関する疑問(茨木市・満田正賢)
⑤三角縁神獣鏡の大規模国産工房(京都市・岡下英男)
⑥百姓と民の使い分け、十七条憲法(八尾市・服部静尚)
⑦フィロロギーと古田史学【その8】(吹田市・茂山憲史)
⑧「海幸山幸神話」と「日子穂穂手見命」について(東大阪市・萩野秀公)
⑨多元史観と『不改の常典』(川西市・正木裕)

○正木事務局長報告(川西市・正木裕)
 1/21「古田史学の会」新春講演会(大阪府立大学i-siteなんば)の連絡と協力要請・会費入金状況・新会員の紹介・「誰も知らなかった古代史」(森ノ宮)の報告と案内・「九州古代史の会」正月例会と新年会の報告(古賀)・「東京古田会」難波宮、古市古墳群見学の報告・「古田史学の会」関西例会の会場、2月(福島区民センター)・『古代に真実を求めて』21集「発見された倭京 太宰府都城と官道」の編集状況・モンゴルで後漢時代の銘文「匈奴遠征の詩」発見・その他


第1580話 2018/01/19

東京古田会の皆さんが難波宮見学

 今日は東京古田会の皆さん二十数名が大阪に見えられ、大阪歴博や難波宮跡を見学されました。わたしもお昼休みを利用して、短時間でしたが同行させていただきました。
 田中会長ご夫妻とランチをご一緒させていただいた後、大阪歴博と隣接するNHKビルの地下にある前期難波宮堀立柱跡を初めて見学することができました。ボランティアの方が大阪弁で要領よく解説していただいたこともあり、関東の皆さんにも楽しんでいただけたのではないでしょうか。その後、難波宮跡公園をご案内し、大極殿跡で記念撮影をしました。
 公園の近くにある大阪市文化財研究所も訪問し、同所の高橋工先生から専門的な説明をしていただきました。わたしからの前期難波宮の造営時期に関する質問に対して、土器編年により孝徳期造営説で決着がついており、天武期の造営という考古学者はいないと返答されたのが印象的でした。
 わたしはそこで皆さんとおわかれしましたが、夕食会には正木裕さん(古田史学の会・事務局長)と服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)が参加されます。東京古田会の皆さんは四天王寺や住吉大社、百舌古墳群なども見学されるとのことで、お天気も良く、有意義な大阪旅行になることと思います。


第1564話 2018/01/01

謹賀新年

 12月に配信した「洛中洛外日記【号外】」

 「洛中洛外日記」読者の皆様、新年のお慶びを申し上げます。おかげさまで「古田史学の会」は組織的にも学問研究的にも発展しています。また東京や九州の友好団体との学術交流も活発化しております。これも、会員をはじめ支持者の皆様のご理解とご協力の賜と感謝しております。
 来る1月21日(日)には恒例となりました新春古代史講演会をi-siteなんば(大阪府立大学なんばキャンパス)にて開催します。皆様のご参加をお願い申しあげます。
 新年も古田史学の継承と発展のため役員一同精進してまいりますので、皆様の変わらぬご支援、ご協力をお願い申しあげます。

 12月に配信した「洛中洛外日記【号外】」のタイトルをご紹介します。
 配信をご希望される「古田史学の会」会員は担当(竹村順弘事務局次長 yorihiro.takemura@gmail.com)まで、会員番号を添えてメールでお申し込みください。
 ※「洛中洛外日記」「同【号外】」のメール配信は「古田史学の会」会員限定サービスです。

《12月「洛中洛外日記【号外】」配信タイトル》
2017/12/02 『東京古田会ニュース』No.177のご紹介
2017/12/07 八重洲ブックセンターの書棚
2017/12/15 大垣書店(イオンモール京都店)の書棚
2017/12/30 『多元』143号のご紹介


第1556話 2017/12/18

1月21日(日)新春講演会のご案内済み

 「古田史学の会」では恒例の新春講演会を下記の通り開催します。今回は「古田史学の会」関西例会で論議が繰り返され、現在も進展し続けている最新テーマについて服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)と正木裕さん(古田史学の会・事務局長)が講演されます。
 服部さんからは、九州王朝説に刺さった三本の矢の一つ、7世紀初頭の寺院遺跡の出土分布は北部九州ではなく近畿に濃密分布するという問題に関連して、素弁蓮華文軒丸瓦の出土分布の研究が報告されます。九州王朝説にとって不都合な考古学的事実から逃げず、真実解明に真正面から挑戦されたものです。それが成功しているか否か、九州王朝説論者にとって重要で興味深い講演となるでしょう。
 正木さんからは、九州王朝(倭国)から大和朝廷(日本国)への王朝交代期の歴史の真相に、九州王朝系近江朝という新仮説で挑まれた、近年の研究の概要が報告されます。更に最新の発見である倭姫王=九州王朝(倭国)大宮姫説を詳述されます。この正木新説が成立すれば、7世紀後半から8世紀初頭の王朝交代の姿が復元できそうです。ぜひ、皆さん自身が参加され、お二人の研究の当否をご判断ください。

2018年「古田史学の会」新春講演会
□日時 1月21日(日)13時開場 13:30開会
□会場 i-siteなんば(大阪府立大学なんばサテライト)2階A会議室
 アクセス:地下鉄御堂筋線・大国町駅から東北東へ徒歩8分。zeppナンバの東隣。
□演題・講師
「古代瓦の変遷と飛鳥寺院の研究」 服部静尚氏
「王朝交代-倭国・近江朝・日本国-」 正木 裕
□参加費 1000円

※講演会終了後、懇親会を開催します。希望者は当日、会場でお申し込みください。
(懇親会参加費は別途)