「新・八王子セミナー2019」の情景(3)
「古田武彦記念 古代史セミナー2019」(新・八王子セミナー2019)で大墨伸明さんが発表された『一枚起請文』の新論証について、その前日の夜に安彦克己さん(東京古田会・副会長)から概要についてお聞きしていました。ちょうど宿泊した部屋が隣同士だったこともあり、セミナー初日の夜に竹内強さん(古田史学の会・東海の会長)と冨川ケイ子さん(古田史学の会・全国世話人)とわたしの三人で安彦さんの部屋にお邪魔し、和田家文書研究の最新研究情報を教えていただいたのですが、そのおりに大墨さんが凄い研究発表をされると教えていただいたものです。
また、今回は発表されませんでしたが、安彦さんも驚くような発見をされていました。詳細は氏の論文発表を待ちたいと思いますが、伊達政宗が江戸・浅草にキリスト教の療養所を造ったという記事が和田家文書にみえ、近年の調査研究の結果、その療養所のことが宣教師によりスペイン語で本国に報告されていたことが判明し、詳細な場所も一致しているとのことです。これなど、どう考えても和田喜八郎氏が偽作したなどとは言えない事例です。
和田家文書偽作説への反論として、このような偽作ではあり得ない事例を集めて、書籍として世に問いたいものです。安彦さんを筆頭に和田文書研究が関東では熱心に行われており、うらやましい限りです。関西では東北地方の土地勘などが乏しいこともあるためか、和田家文書研究者が少なく、残念です。(つづく)