『古田史学会報』90号の紹介
『古田史学会報』90号の編集が終わり、来週発行予定です。今号も好論が多いのですが、中でも合田稿は伊予国風土記(逸文)の「温湯碑」の所在地を探究したもので、温湯碑文の史料批判が秀逸です。
従来は「温湯碑」という表記に惑わされて、温泉のことを記した碑文と思われてきたのですが、合田さんは碑文そのものには「神井」「井」とあるだけで「温湯」や「温泉」などとはされていないことに注目され、この碑文は井戸(泉)のことを記したもので、到底道後温泉とは無関係であることを指摘されました。言われてみれば全くそのとおりです。合田さんの慧眼に敬服するばかりです。
掲載論稿は次の通りです。ご期待下さい。
『古田史学会報』90号の内容
○「温湯碑」建立の地はいずこに 松山市 合田洋一
○年頭の御挨拶 代表 水野孝夫
○白雉二年九月吉日奉納面の紹介 川西市 正木 裕
○「白雉改元儀式」盗用の理由 京都市 古賀達也
○盗まれた「国宰」 川西市 正木裕
○伊倉8─天子宮は誰を祀るか─ 武雄市 古川清久
○『菅江真澄にも見えていた「東日流の風景」』その後 奈良市 太田齊二郎
○飯田満麿氏を悼む 古田史学の会・代表 水野孝夫
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会 関西例会のご案内
○事務局便り
古田氏近況・会務報告・謡曲「巴」・飯田氏の想い出・他(奈良市・水野孝夫)