第2813話 2022/08/22

「二倍年暦」研究の思い出 (1)

―「二倍年暦」研究の発端と展開―

 わたしが二倍年暦の研究に本格的に取り組んだのは2001年頃からでした。その発端は、仏典中に超高齢者が少なからず見えることに気づいたことです。そして研究対象は中国や西洋の古典に広がりました(注)。その研究成果を「古田史学の会」関西例会で発表し、2002年からは『古田史学会報』での論文発表へと続きました。そして、「古田史学の会」では会員による「二倍年暦」の研究発表も活発となり、2002年から2004年だけでも管見では次の論稿が発表されました。

○和田高明「『三国史記』の二倍年暦を探る」『新・古代学』第6集、2002年、新泉社。
○古賀達也「仏陀の二倍年暦(前編)」『古田史学会報』51号、2002年。
○西村秀己「盤古の二倍年暦」『古田史学会報』51号、2002年。
○古賀達也「仏陀の二倍年暦(後編)」『古田史学会報』52号、2002年。
○古賀達也「孔子の二倍年暦」『古田史学会報』53号、2002年。
○冨川ケイ子「エジプト年暦と兄ウカシ弟ウカシ」『古田史学会報』53号、2002年。
○森 茂夫「浦島太郎の二倍年暦」『古田史学会報』53号、2002年。
○古賀達也「ソクラテスの二倍年暦」『古田史学会報』54号、2003年。
○安藤哲朗「『高僧伝』における寿命記事」『古田史学会報』56号、2003年。
○古賀達也「荘子の二倍年暦」『古田史学会報』58号、2003年。
○古賀達也「『曾子』『荀子』の二倍年暦」『古田史学会報』59号、2003年。
○古賀達也「アイヌの二倍年暦」『古田史学会報』60号、2004年。
○澤井良介「『二倍年暦』に関する一考察」『古田史学会報』60号、2004年。
○肥沼孝治「古代戸籍の二倍年暦」『古田史学会報』60号、2004年。

 この当時の「二倍年暦」研究は、史料に見える高齢記事や、一年を2シーズンに分ける暦表記の探索が中心でした。(つづく)

(注)当時、わたしが研究対象とした古典は次のようなものであった。『長阿含経』『妙法蓮華経』『スッタニパータ』、ホメロス『オデュッセイア』、ヘロドトス『歴史』、『旧約聖書』、プラトン『国家』、アリストテレス『弁術論』、セネカ『人生の短さについて』、キケロー『老年について』、ディオゲネス・ラエルティオス『ギリシア哲学者列伝』、アリストテレス『弁術論』、マネトー『エジプト史』、『論語』、『孟子』、『列子』、『管子』、『荘子』、『曾子』、『荀子』、『春秋左氏伝』、菅江真澄『えぞのてぶり』、新井白石『蝦夷志』など。

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