縄文遺跡出土の青銅刀と
刻文石斧
インターネット検索をしていましたら、不思議な出土品が目にとまりました。縄文遺跡から青銅刀や刻文石斧が出土していたとのことなのです。多分、わたしが知らなかっただけで、縄文研究では著名な出土品なのだと思いますが、それにしても驚きました。
青銅刀は山形県庄内地方の鳥海山西麓から縄文後期の土器と共に出土したとのこと。刻文石斧は「刻文付有孔石斧」と紹介された磨製石斧で、これも山形県羽黒町中川代遺跡から縄文中期の土器と共に出土しています。いずれも中国大陸から渡来したと紹介されています。
特にわたしが驚いたのが、石斧の「刻文」の文様が和田家文書に記されている古代文字とよく似ていることでした。「止」という字を上方向にくねらしたような「刻文」で、『東日流外三郡誌』のものよりもやや複雑な「刻文」です。『東日流外三郡誌』によれば、この古代文字は「木」を意味するとされています。
また、『東日流外三郡誌』には石斧や青銅刀(石刀、鉄刀、銅剣)も記されており、出土物と『東日流外三郡誌』との関係に興味がわきます。なお、『東日流外三郡誌』に描かれた石斧には「孔」や「刻文」はありません。わたしは古代東北の考古学には全く疎いのですが、是非、当地の会員のみなさんに研究していただければ幸いです。
なお、古代文字や石斧・青銅刀と思われるものが描かれているのは八幡書店版『東日流外三郡誌』第1巻古代篇(172、173、616、662、696、702、728ページ)です。是非ご参照ください。また、両出土物は浅川利一・我孫子昭二編『縄文時代の渡来文化 刻文付有孔石斧とその周辺』(雄山閣、2002年)に紹介されているとのことです。是非、拝読したいと思います。