鞠智城はキクチ城かククチ城か
昨日とは打って変わり、今朝は雨もあがり、好天に恵まれました。今は新玉名駅に向かう九州新幹線の車中です。九州新幹線は座席が4列のグリーン車並で、木材を使用したゴージャスな作りです。窓のブラインドも木製の簾なのには驚きです。JR各社でも九州が最も車両デザインがおしゃれではないでしょうか(「七つ星」はその最高峰)。
わたしが研究開発にいた頃、JR九州の車両内装用のコルクボードを染色できる染料と染色処方の開発を試みたことがありましたので、九州新幹線とも少しは縁があります。ちょうど「木材染色」の技術開発に熱中していた頃でしたから、今でも懐かしく思います。開発した木材染色技術や専用染料はホテルや商業ビルの内装、大手家電メーカーの建材等に使用されており、一見すると木目が美しい「天然銘木」なのですが、わたしには人造の「染色木材」であることがわかります。出張先のホテルの内装などでみかけると、ここでも使用されているのかと、うれしくなります。ちなみに「古田史学の会」の水野代表は若い頃(日本ペイント株式会社勤務時代)、新幹線開業時の車両用塗料の開発に関わられたとのこと。
今日は玉名郡和水町で講演しますが、どうしても事前に調べておきたいことがあり、約束の時間よりも1時間早く新玉名駅に行くことにしました。今回の主要テーマの一つが鞠智城なのですが、わたしは「キクチじょう」と読んでいました。ところが、講演会主催者の菊水史談会の前垣芳郎さん(事務局長)から、メールで「ククチのキ」と読むのが正しいとする見解を知らせていただいていたので、この鞠智城についてしっかりと調べておく必要を感じたのです。
鞠智城については読み方だけでなく、その所在地も今までは漠然と菊池市と山鹿市にまたがった遺跡で、主には菊池市に含まれると思っていたのですが、これもよく調べてみると逆で、両市にまたがっているもののその多くは山鹿市に属しているのでした。
このように熊本県で講演するのに、あまりにもご当地についての知識が不足していたり、間違って理解していることもありそうなで、急遽、講演会の位置づけを少し変更して、わたしのアイデア(思いつき・作業仮説)をご披露し、その当否と新たな知見やご当地のご意見をうけたまわる、そのような「講演」にすることとしました。はたして、このような「講演」が受け入れられるか。いざ、「火の国」熊本県和水町へ。