第1118話 2015/12/31

久留米市高三潴から出土した銅鐸

 久留米の実家でテレビを見ていると太宰府天満宮の初詣のコマーシャルなどがあり、九州ならではと感じます。
 昨日、犬塚幹夫さんから久留米市高三潴遺跡から銅鐸が出土していたことを教えていただきました。このことをわたしは全く知りませんでした。しかも出土した場所が高三潴ということで更に驚いたのです。高三潴といえば、大善寺玉垂宮の近くで初代の玉垂命の墳墓があるところです。この墳墓は貝殻で造られており、弥生時代の遺跡で銅剣などが出土しています。その地域から小型銅鐸が出土したのです。昨年の発掘調査で出土したとのことで、まだ発掘調査報告書は出ていないそうです。
 玉垂命は後の「倭の五王」へと続くのですが、初代はおそらく天孫降臨の時代(弥生時代前期末頃)の人物と思われますが、その故地から天孫降臨により滅ぼされた側のシンボルである銅鐸が出土したのですから、とても興味深く感じています。この銅鐸は筑後で出土した唯一のものとのことですから、なおさらです。出土状況や出土層の編年など、調査報告書の発行が待たれるところです。(つづく)

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