国家官僚群を収容できない「飛鳥京」
本日の「古田史学の会」関西例会では、犬山市から参加されている掛布(かけの)さんが初発表されました。
服部さんからは、律令体制の都における国家官僚の人数と生活に必要な家地の面積と条坊都市の面積の関係について論じられ、前期難波宮にいた国家官僚群を収容できる広さが「飛鳥京」(通説では前期難波宮から遷都した「倭京」を奈良の「飛鳥京」とする)にはないことを明らかにされました。
正木さんからは、中国洛陽から発見された三角縁神獣鏡を調査実見された西川寿勝さん(大阪府立狭山池博物館)の講演内容について報告されました。とても興味深いのでしたので、西川さんに「古田史学の会」でも講演していただこうということになりました。ちなみに西川さんは「邪馬台国」畿内説に立つ考古学者ですが、「古田史学の会」で講演しても良いとのことです。また、奈良の龍田神や「風祭り」について、本来は肥後における阿蘇神(健磐龍命)の風祭りであったとする研究を発表されました。
5月例会の発表は次の通りでした。
〔5月度関西例会の内容〕
①古田武彦氏の廻心とわたしたちの結授によせて
再び古田武彦氏の弟子となる意味を問う(東大阪市・横田幸男〔古田史学の会・インターネット事務局〕)
②宮年号の証明(犬山市・掛布広行)
③「京域と官僚」-藤原宮を中心に考察する(八尾市・服部静尚)
④洛陽から発見された三角縁神獣鏡について(川西市・正木裕)
⑤橿原市瀬田遺跡の円形周溝暮(川西市・正木裕)
⑥岡山県造山古墳訪問報告(川西市・正木裕)
⑦盗まれた風の神の祭り(川西市・正木裕)
⑧『後代の旧事記』(『先代旧事本紀』)の有効性を探る(東大阪市・萩野秀公)
⑨前期難波宮の内裏(京都市・古賀達也)
○正木事務局長報告(川西市・正木裕)
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