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第1939話 2019/07/14

博多湾岸の縄文海進は最大2.2m(満潮時)

 昨日の博多駅での歓談で、上村正康先生から見せていただいた九州大学理学部の研究報告(注)によると、博多湾岸でのボーリング調査の結果、縄文海進最盛期の海面上昇は現代よりも約1.2m(満潮時2.2m)とされていました。その結果、当時の海岸線は姪浜・室見・西新・福岡城の北側や天神付近となっており、それほど内陸部に入り込んでいません。
 これまでわたしは縄文海進時の海面上昇が約5mはあり、そのため各地の海岸線は現代よりも相当内陸部に及んでいたと漠然と理解していました。わたしが知る古田学派内の過去の論稿でもそのような認識を前提とした見解や仮説が発表されてきました。中には弥生時代に10〜15mも海面が上昇し、例えば筑豊地方内陸部に「古代遠賀湾」が存在していたとする説なども出されました。
 どのような仮説や思いつきの発表も「学問の自由」ですから、悪いことではありませんが、上村さんが紹介された論文に反論できるだけのエビデンスの提示が要求されます。ちなみに縄文海進時代の博多湾岸の海岸線復元研究は地下ボーリング調査に基づいており、説得力があります。(つづく)

(注)
 下山正一「福岡平野における縄文海進の規模と第四紀層」『九州大学理学部 研究報告(地質)』16巻1号、1989年1月。
 下山正一・磯望・野井英明・高塚潔・小林茂・佐伯弘次「福岡市鳥飼低地の海成第四系と更新世後期以降の地形形成過程」『九州大学理学部 研究報告(地球惑星科学)』17巻3号、1991年1月。