2020年08月24日一覧

第2212話 2020/08/24

アマビエ伝承と九州王朝(1)

 コロナ禍の中、流行病を防ぐという言い伝えを持つアマビエと呼ばれる妖怪が注目されています。その姿が江戸時代の瓦版などに画かれており、web上ではおおよそ次の様な説明がなされています。

①アマビエは元々は三本足の猿のような妖怪「アマヒ(ビ)コ」だったと考えられている。両者の名前の違いは、描き写す際に「書き誤った」か、瓦版として売る際にあえて「書き換えた」とみられる。
 ※誤写例(案):「アマヒ(ビ)コ」→「アマヒユ」→「アマヒ(ビ)エ」

②瓦版などの記述によれば、アマビエは、肥後国の海辺で役人の柴田忠太郎が遭遇した際、「今年から六年の間は諸国豊作だが、病多き事なり」と予言した。さらに「私の姿を早く写して人に見せるならばはやり病にはかからない」と告げて海中に消えた。

③アマビコの出たとされている海の多くは肥後国の海であったとされるが、それにつづく郡名は架空(真字郡、真寺郡、青沼郡など)であることも多く、その地域内の具体的にどこの海であったかが細かく語られることは無い。

④海彦(越後国)、尼彦入道(日向国)などの例も見られる。天日子尊(『東京日々新聞』)は越後国の湯沢近辺の田んぼから現われたと語られている。

⑤柴田という武士が正体を探りに出向くと、姿を現わし、自分はアマビコというものであると語る。柴田五郎左衛門、柴田五郎右衛門など、アマビコに遭遇したとされる人物が文中に登場する場合、ほとんどは熊本の「しばた」という名の武士であると書かれている。

 おおよそ、以上の様に解説されています。この中でわたしが着目したのが、「アマヒコ」という名前と、出現地が「肥後の海」であるという点でした。(つづく)