2021年01月16日一覧

第2351話 2021/01/16

仏法僧の受戒・得度制度の多元史観

 本日、i-siteなんば(大阪府立大学なんばサテライト 2F)にて「古田史学の会」関西例会が開催されました。次回はドーンセンターで開催します。今回の例会でも、Zoomシステムによるハイブリッド型(会場参加+リモート参加)例会のテストを実施しました。リモート配信システムが完成しつつありますので、関西例会リモート参加費・同規定(参加資格)などの運用面と必要経費負担(イニシャルコスト・ランニングコスト)について検討・調整を進めています。
 今回の三つの研究報告はいずれも新たな分野・視点を含むもので、優れた発表でした。その中でも日野さんによる、古代日本における仏教政策や仏教教団の実態に迫り、九州王朝の仏教政策(戒壇)の調査分析する試みは先駆的でした。他方、大和朝廷の僧侶の授戒・得度政策に矛盾(私度僧はいやだが、鑑真和上渡来以前は「自誓受戒」が行われていた)があることを指摘され、それが九州王朝仏教政策を否定するための〝苦肉の策〟とする仮説は示唆的でした。この分野の研究は古田学派としては初めてではないでしょうか。研究の進展と論文発表が待たれます。
 午後からは令和三年新春古代史講演会があるため、発表は午前中だけとなりました。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔1月度関西例会の内容〕
①九州王朝の戒壇と僧伽(サンガ)(たつの市・日野智貴)
②縄文一万年のマラソンランナーの実相(大山崎町・大原重雄)
③野中寺彌勒菩薩像銘と女帝(八尾市・服部静尚)

◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」回避に大部屋使用の場合)
02/20(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
03/20(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

《関西各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都 参加費500円
 2月講演〔中止〕

◆「古代大和史研究会」特別講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 02/03(水) 13:00~17:00 会場:松慶山 浄照寺(近鉄田原本町駅東口から徒歩2分)
《第一部》「能楽の中の古代史」(1)
  謡曲「羽衣」に秘められた古代史 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)
《第二部》聖徳太子と金光明経 講師:服部静尚さん(『盗まれた「聖徳太子」伝承』『倭国古伝』編集長)

 02/23(火) 10:00~12:00 会場:奈良新聞本社西館3階
 「多利思北孤の時代」 講師:正木 裕さん(大阪府立大学講師)

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール 参加費500円
 03/13(土) 14:00~16:30 「天皇と三種の神器」「王朝交代」 講師:服部静尚さん

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター(中集会室)
 2月講演〔中止〕

◆誰も知らなかった古代史の会 会場:福島区民センター 参加費500円
 02/02(火) 18:30~20:00 「聖徳太子の実像 ―1400回忌を迎えて」 講師:正木 裕さん