古代に真実を求めて一覧

古田史学の会が年に一度発行している雑誌本です。

第2423話 2021/04/05

『俾弥呼と邪馬壹国』読みどころ (その1)

「巻頭言 読者の運命が変わる瞬間(とき)」を転載

 先月末に刊行した『俾弥呼と邪馬壹国』(『古代に真実を求めて』24集)の読みどころをシリーズで紹介します。まずはわたしが書いた「巻頭言 読者の運命が変わる瞬間(とき)」を転載します。本書の構成や位置づけを説明した短文です。
 元々は後半部分の〝『「邪馬台国」はなかった』のすすめ〟と一体をなすものでしたが、編集部からのご意見により分割しました。特に茂山憲史さんからは、「もっと情熱的な文章に」と叱咤していただいたことが思い出されます。

〔巻頭言〕読者の運命が変わる瞬間(とき)
     古田史学の会 代表 古賀達也

 読む人の運命を劇的に変える本があります。もし、あなたが日本古代史に関心があるならば、次の本を心からお薦めします。古田武彦著『「邪馬台国」はなかった ―解読された倭人伝の謎―』(朝日新聞社、一九七一年。ミネルヴァ書房より復刻)です。
 昭和四六年(一九七一)に発行され、ベストセラーとなった著者の古代史処女作である同書の発刊五十周年を記念して、わたしたちは本書『卑弥呼と邪馬壹国 ―古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊五十周年―』(『古代に真実を求めて』二四集)を上梓しました。収録した特集論文は、いずれも「古田史学の会」の研究者による最新の研究成果から精選されたもので、先に出版した『邪馬壹国の歴史学』(ミネルヴァ書房、二〇一六年)の続編の性格も持っています。この機会に併せ読んでいただければ幸いです。
 本書の特集は総論・各論・コラムからなり、総論では『「邪馬台国」はなかった』発刊以来の歴史、著者の学説と学問の方法、提起された諸仮説の発展の高みを概観できます。各論では、その高みから諸仮説の深層をのぞき見ることができます。そして、コラムにより諸仮説の広がりを感じ取ることができるよう、工夫がこらされています。
 古田武彦氏は二〇一五年十月に鬼籍に入られましたが(享年八九歳)、その学問と学説は本書執筆陣に脈々と受け継がれています。本書を読まれたあなたにも、真実を愛する精神と情熱を共有できることでしょう。そのとき、あなたの運命は大きく変わるはずです。わたしたちがそうであったように。
  〔令和二年(二〇二〇)十二月一日、筆了〕


第2419話 2021/03/23

『俾弥呼と邪馬壹国』刊行

 本日、待望の『俾弥呼と邪馬壹国』(『古代に真実を求めて』24集)が明石書店より届きました。重要論文満載の期待通りの出来映えでした。これから発送作業に取りかかりますので、「古田史学の会」2020年度賛助会員には順次お届けします。今暫くお待ちください。
 一般書店やアマゾンからも発注できます(288頁、定価2,800円+税)。関西地区の講演会場でも特価販売を予定しています。
 掲載論文は下記の通りです。

『俾弥呼と邪馬壹国』掲載論文

《巻頭言》読者の運命が変わる瞬間(とき) [古賀達也]
『「邪馬台国」はなかった』のすすめ [古賀達也]

《特集》俾弥呼と邪馬壹国 ―古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊五十周年
魏志倭人伝の画期的読解の衝撃とその余波
        ―『「邪馬台国」はなかった』に対する五十年間の応答をめぐって [谷本 茂]
改めて確認された「博多湾岸邪馬壹国」 [正木 裕]
周王朝から邪馬壹国そして現代へ [正木 裕]
女王国論 [野田利郎]
東鯷人・投馬国・狗奴国の位置の再検討 [谷本 茂]
「女王国より以北」の論理 [野田利郎]
メガーズ説と縄文土器 ―海を渡る人類 [大原重雄]
裸国・黒歯国の伝承は失われたのか? ―侏儒国と少彦名と補陀落渡海 [別役政光]
二倍年暦と「二倍年齢」の歴史学 ―周代の百歳と漢代の五十歳 [古賀達也]
白村江を戦った倭人 ―『日本書紀』の天群・地群と新羅外交 [谷川清隆]
箸墓古墳の本当の姿について [大原重雄]

 コラム①古田武彦氏『海賦』読解の衝撃 [茂山憲史]
 コラム②日本歴史の怖い話 [前田嘉彦]
 コラム③長沙走馬楼呉簡の研究 ―「都市」は官職名 [古谷弘美]
 コラム④不彌国の所在地を考察する ―弥生の硯出土の論理性 [古賀達也]
 コラム⑤バルディビア土器はどこから伝播したか
                 ―ベティー・J・メガーズ博士の想い出 [古賀達也]
 コラム⑥箸墓古墳出土物の炭素14測定値の恣意的解釈 [服部静尚]
 コラム⑦曹操墓と日田市から出土した金銀象嵌鏡 [古賀達也]

《特別寄稿》『日本書紀』推古・舒明紀の遣隋使・遣唐使 ―天群と地群 [谷川清隆]

《一般論文》
「防」無き所に「防人」無し ―「防人」は「さきもり(邊境防備の兵)」にあらず [山田春廣]
太宰府条坊の存在はそこが都だったことを証明する [服部静尚]
古代の疫病と倭国(九州王朝)の対外戦争
             ―天然痘は多利思北孤の全国統治をもたらした [正木 裕]
九州王朝官道の終着点 ―山道と海道の論理 [古賀達也]
『書紀』中国人述作説を検証する ―雄略紀および孝徳紀の倭習 [服部静尚]

 コラム⑧関東の木花開耶姫 [木村 透]

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第2403話 2021/03/08

『古代に真実を求めて』24集

                       の表紙は俾弥呼(ひみか)

 先日、服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)より『古代に真実を求めて』24集の表紙(案)が送られてきました。同書のタイトル『俾弥呼と邪馬壹国』にふさわしく、女王俾弥呼が鏡を両手で高々と掲げた写真を採用しました(この写真は大阪府立弥生文化博物館からご提供いただいたものです)。全体的にピンク系の美しい表紙に仕上がっています。微修正の上、正式採用となります。
 裏表紙には特集企画として、下記の論文が掲示されていますが、一般論文の追加掲示を明石書店に申し入れることにしました。来月までには発行できると思いますが、2020年度賛助会員(年会費5000円)へはその後順次発送作業に入りますので、しばらくお待ちください。
 同書は書店やアマゾンでもご注文いただけます。定価は2,800円+税です。

【24集特集企画論文】
○魏志倭人伝の画期的解読の衝撃とその余波
○改めて確認された「博多湾岸邪馬壹国」
○周王朝から邪馬壹国そして現代へ
○女王国論
○東鯷人・投馬国・狗奴国の位置の再検討
○「女王国より以北」の論理
○メガーズ説と縄文土器―海を渡る人類
○裸国・黒歯国の伝承は失われたのか?
○二倍年暦と「二倍年齢」の歴史学
○箸墓古墳の本当の姿

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第2355話 2021/01/20

『卑弥呼と邪馬壹国』初校の校正

 今春発行予定の会誌『卑弥呼と邪馬壹国 ―古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊五〇周年―』(『古代に真実を求めて』24集)の初校が明石書店から各執筆者に届き、わたしもようやく初校ゲラの校正をし、ついでに若干の推敲もしました。校正作業では、茂山憲史さん(『古代に真実を求めて』編集部)のご協力をいただきました。ありがとうございます。
 論文の内容には満足していますが、文章が充分にはこなれておらず、やや不満足な推敲になってしまいました。わたしの文章力不足については、読者の皆さんに申し訳なく思っています。
 しかし拙稿はともかく、同書は古田武彦先生の古代史処女作『「邪馬台国」はなかった』発刊五〇周年を言祝ぐにふさわしい秀逸の論文が多数収録されます。「古田史学の会」2020年度賛助会員(年会費5,000円。『古田史学会報』隔月刊のみの一般会員は同3,000円)には発行後(四月以降になると思います)に送付しますので、お楽しみに。アマゾンや書店でのご注文も可能です。
 また、同書発行を機会に「古田史学の会」へご入会いただければ幸いです。入会方法は「古田史学の会」ホームページ「新古代学の扉」トップ画面をご参照下さい。


第2304話 2020/11/29

『古代に真実を求めて』24集の巻頭言

 本日、ようやく『古代に真実を求めて』24集の巻頭言を書き終えました。これまでになく、今回は巻頭言に苦しみました。というのも、谷本茂さん(古田史学の会・会員、神戸市)からいただいた「巻頭論文」があまりにも立派で、それに見合う巻頭言となると、今までとは全く異なるものにしなければならないと、この半月ほど悩みに悩んできたのです。そして、苦しみながらも昨日から二日間ほど自室にこもり、ようやく書き上げました。
 その結果、巻頭言らしくない巻頭言となり、次のような項目に仕立てあがりました。読者や冥界の古田先生からの評価はいかに。

【『古代に真実を求めて』24集巻頭言】
『「邪馬台国」はなかった』の論理と系
          古田史学の会 代表 古賀達也

○はじめに
○『「邪馬台国」はなかった』を初めて読まれる方へ
○『「邪馬台国」はなかった』を既に読まれた方へ
○「陳寿を信じとおす」という学問の方法
○論理の導く所へ行こうではないか

 以上の小見出しを立て、次の一文で巻頭言を締めくくりました。

〝この「ここをつらぬく論証の連鎖は、わたしの生の証(あかし)である」という言葉に、「論証は学問の命」と通底する著者の気迫と学問精神がうかがえるのではあるまいか。であれば、「陳寿を信じとおす」という学問の方法の行く着く先がどこであっても、著者が怯(ひる)むことはありえない。著者を師と仰ぎ、本書を上梓したわたしたちもまた、同様である。〟


第2211話 2020/08/23

『古代に真実を求めて』24集の特集決定

 本日、『古代に真実を求めて』24集の編集会議を大阪で行い、特集テーマと採用稿などについて検討しました。古田先生の『「邪馬台国」はなかった』発刊50周年記念を特集することとし、特集論文・コラムや一般論文などの採否検討を行いました。
 タイトルは服部静尚編集長提案の『俾弥呼と邪馬壹国 ―古田武彦『「邪馬台国」はなかった』発刊50周年記念―』が採用されました。コンセプトには〝『「邪馬台国」はなかった』を読んだことのない一般読者でもわかる〟を採用し、特集論文はよりわかりやすく書いてもらい、コラムは面白く興味を持ってもらえるテーマや古田説解説とすることにしました。概論と次の項目別に進展を見せた研究論文を掲載します。

(1)里程論・短里説
(2)二倍年暦
(3)倭国の文化・文物論
(4)邪馬壹国の考古学
(5)倭人は太平洋を渡った

 引き続き、論文内容の審査とリライトの要請などを行っていきます。以上、取り急ぎ報告いたします。


第2171話 2020/06/21

『古代に真実を求めて』24集の特集決定

 昨日の関西例会終了後、服部編集長はじめ編集部員の方と『古代に真実を求めて』24集(2021年春発行)の特集を何にするのかについて意見交換を行いました。8月に編集会議を開催しますが、服部編集長から提案されている〝『「邪馬台国」はなかった』発刊50周年記念〟を特集テーマにすることで参加者の意見がまとまりました。
 50年前、古田武彦古代史の処女著作『「邪馬台国」はなかった』が学界や古代史ファンに与えた衝撃ははかりしれません。朝日新聞社から出版された同書は版を重ね、まさに洛陽の紙価を高からしめた名著です。古田ファンはもとより、わたしたち古田学派の研究者は、同書を読んで古田史学の下に結集したと言っても過言ではありません。
 『古代に真実を求めて』24集は同書刊行50周年を記念し、これからの50年を展望できるような特集を組みたいと願っています。同書に関することであれば、研究論文にかかわらず採用検討対象となります。歴史を繋ぐ一冊の上梓にご協力をお願いし、会員の皆様の投稿をお待ちしています。投稿規定は『古代に真実を求めて』末尾の「募集要項」をご参照下さい。


第2161話 2020/05/28

『万葉集』巻五の清濁音書き分け

 先日、40年来の古田ファンの西村幸三郎さん(伊丹市)から初めてのお便りと電話をいただきました。西村さんは二十代の頃から古田先生のファンで、著作はほとんどすべて購入され読まれているとのこと。ありがたいことに『古代に真実を求めて』も23集まで全て持っておられるそうです。いただいたお便りには、『古代に真実を求めて』について次のような好意的で鋭い感想が記されていました。

 「日本古代史(周辺・周縁も含めて)探求の広がり・深さ・奥行、それに学問的探求が、どんどん精密・精緻になってきているなあと、毎年読ませていただくたびにこういう感想をもちます。」

 お便りには、寺田透著『万葉の女流歌人』(岩波新書、1975年)のコピーが添えられており、それには『万葉集』巻五の清濁音書き分けについて触れられていました。わたしはこの寺田さんの著書を読んだことがなかったのですが、万葉仮名における清濁音の書き分けの状況や変遷からみて、「『万葉集』巻五風の『万葉仮名』の選定をその頃(奈良朝末期:古賀注)とみる限り、それは天皇家と無関係に行われたものということになる。」とする指摘に驚きました。すなわち、万葉仮名成立の主体が天皇家ではないという主張ですから、多元史観に通じる考え方ではないでしょうか。
 わたしも、「洛中洛外日記」2118話(2020/03/23)〝映画「ちはやふる」での「難波津の歌」〟において、『万葉集』では「ちはやぶる」、『古今和歌集』では「ちはやふる」と詠まれていることにふれました。また、190話(2008/09/28)〝「古賀」と「古閑」〟では万葉仮名の多元的な成立の可能性についてふれました。よい機会ですので、この清濁音問題を本格的に勉強してみようと思います。まずは寺田さんの『万葉の女流歌人』を読んでみます。同著のことをお知らせいただいた西村さんに御礼申し上げます。
 西村さんとお電話でお話したときも、寺田さんについて多くのことを教えていただきました。「古田史学の会」に入会していただきたいとお願いしたところ、ご承諾いただきました。関西例会でお会いできることを楽しみにしています。


第2141話 2020/04/24

竹田侑子さんからのお礼状

 わたしたち「古田史学の会」では、会員論集『古代に真実を求めて』を友好団体などに贈呈させていただいています。この度上梓した『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独 ―消えた古代王朝―』(『古代に真実を求めて』23集)を贈呈した竹田侑子さん(秋田孝季集史研究会・会長、弘前市)からお礼状が届きましたので紹介します。

【お礼状から一部転載】
(前略)
 それにしても魅力的なタイトルです。
 頂戴していつも、タイトル選びが上手だな、と思うのですが、今回は執筆者の皆様が、九州王朝が失われてからの日本の歴史にどんな孤独を抱いたのだろうか、などと連想させるような、余韻を漂わせていました。
 これから、じっくりと心して読ませていただきます。
 楽しみです。本当にありがとうございました。

 日々ご多忙と拝察しておりますが、ご自愛くださり、「古田会」を引っ張っていってくださることを願っております。
                        草々

                    2020年4月15日
                       竹田侑子
(後略)
【転載おわり】

 同書のタイトルをお褒めいただき、安心しました。というのも、今回のタイトルは敢えて文学的表現にしたのですが、読者から評価していただけるものか、正直不安だったのです。
 もっとよいタイトルがあるのではないかと悩み続けて、最終的には正木裕さんの「〝日本書紀〟だけではなく、〝古事記〟もタイトルにいれるべき」というご意見を採用し、さらに当初案はメインタイトルが「消えた古代王朝」、サブタイトルが「『古事記』『日本書紀』千三百年の孤独」だったのですが、服部編集長のご意見により、メインタイトルとサブタイトルを入れ替えることになったものです。
 その後も、久冨直子さん(編集部員)から別のタイトル案も出され、最終的には明石書店の編集会議で『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独 ―消えた古代王朝―』が採用されました。明石書店内でもかなり議論になったとうかがっています。タイトルの善し悪しが、本の売れ行きに大きく影響しますから、竹田さんからのお褒めの言葉は大変励みになりました。
 なお、『古代に真実を求めて』は18集から特集テーマを前面に出して、タイトルも新たに付けることにしました。おかげさまで、それ以来、販売部数が伸びて、再版されるようにもなりました。竹田さんからお褒めいただいた各号のタイトルは次のようなものです。

18集 盗まれた「聖徳太子」伝承
19集 追悼特集 古田武彦は死なず
20集 失われた倭国年号《大和朝廷以前》
21集 発見された倭京 太宰府都城と官道
22集 倭国古伝 姫と英雄(ヒーロー)と神々の古代史
23集 「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独 消えた古代王朝


第2133話 2020/04/12

野田利郎稿「伊都国の代々の王とは

     ―『世有王』の新解釈―」への批評

本日、『古代に真実を求めて』編集長の服部静尚さんから頂いたメールによれば、『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独 ―消えた古代王朝―』(『古代に真実を求めて』23集)に一般論文として掲載された野田利郎さんの論稿「伊都国の代々の王とは ―『世有王』の新解釈―」に対する批評が「古代史の散歩道など」というブログ(主宰者不詳)に掲載されているとのこと。
 早速、ブログを拝見したところ、同批評は『季刊邪馬台国』131号に掲載されている塩田泰弘稿「魏志が辿った邪馬台国への径と国々」の書評中にありました。真摯で学問的な好意的批評でした。野田稿を採用したわたしたち編集部にとっても、喜ばしいことです。一部を転載し、紹介します。

【以下、転載】
「古代史の散歩道など」
https://toyourday.cocolog-nifty.com/blog/2020/04/post-345ed0.html
2020年4月 8日 (水)
新・私の本棚 季刊邪馬台国 131号 塩田泰弘「魏志が辿った..」3/5
「魏志が辿った邪馬台国への径と国々」2016/12刊行
(前略)
 ところが、近刊の古田史学論集第23集掲載の野田利郎氏の「伊都国の代々の王とは~世有王の新解釈~」は、豊富な古典用例に基づき後出倭人伝伊都条の「丗有王皆統屬女王國」を「世に有る王は、皆女王国に統属する」と読み、倭人伝列国に皆王があり女王に属したとしています。
 定説が「丗有王」を「世世有王」と改竄して、「伊都には歴代王がいる(が、他国は特記しない限り、王がいない)」と伊都特定記事と見たのが早計としているのです。いや、さすがの古田氏も、この原本改定は見逃していたようです。(中略)
 野田氏は、范曄が、倭人伝の紙背を読んで明解に書き立てたと見て、素人目には倭人伝界で不評の笵曄株を上げる、一聴に値する論考としていて、小なりと言えども首尾が整っています。(中略)
 古田史学会誌は、ことのほか厳しい論文査読で定評があり、ここでも精妙で画期的な論考を査読、提供しています。
 今後、当論文に関し、広く追試や批判が出て来るものと期待しています。


第2128話 2020/04/07

奈良新聞に

『古代に真実を求めて』23集プレゼントの案内

 奈良新聞(2020.04.04)に、古代大和史研究会(原幸子代表)からの『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独 消えた古代王朝』(『古代に真実を求めて』23集)読者プレゼントの案内が掲載されました。
 記事には次のように同書が紹介されています。

 〝古代史研究家の故古田武彦氏は、大和朝廷に先立って九州王朝が存在し、中国史書に見える「倭国」とは九州王朝とする多元的歴史観・九州王朝説を提唱した。同書は古田氏の多元的歴史観に基づく史料批判により、「古事記」「日本書紀」の中に失われた九州王朝「倭国」の痕跡を探り出し、「真実の古代史像」を明らかにする。〟

 奈良新聞の読者に古田史学・古田武彦ファンが増えることが期待されます。古代大和史研究会の取り組みと、掲載していただいた奈良新聞に感謝いたします。


第2116話 2020/03/21

『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独

       — 消えた古代王朝』刊行

 できたばかりの『「古事記」「日本書紀」千三百年の孤独 消えた古代王朝』が明石書店から送られてきました。「古田史学の会」2019年度賛助会員(年会費5000円)にはこれから順次送付されます。配送作業に日数がかかりますので、しばらくお待ちいただくことになります。一般会員(年会費3000円)やその他の方は、書店やアマゾンでご注文ください。価格は2,600円+税です。
 多元史観・九州王朝説に基づいた『日本書紀』の解説書という性格も持つ一冊で、「古田史学の会」ならではの従来の解説書とは全く異なる出来映えとなっています。「古田史学の会」では全国各地で出版記念講演会を開催し、本書を世に広めていきます。ご期待下さい。
 同書「巻頭言 『日本書紀』に息づく九州王朝」の末尾に、わたしは次のように記しました。

 〝読者が本書を手に取り、新たなページを開くとき、それは令和の世に「新・日本紀講筵」が開講されたことを意味する。千三百年後のその日のために、わたしたちは本書を上梓したのである。〟

 願わくは、本書がこれから千年の命を保ち、千年後のその日、「令和の日本紀講筵」テキストとして『日本書紀』と共に古典となっていますように。