古代に真実を求めて一覧

第1157話 2016/03/29

古田武彦は死なず

古田武彦は死なず

好評『古田武彦は死なず』の目次紹介

 この度、明石書店から発刊された『古田武彦は死なず』(『古代に真実を求めて』19集)はご好評をいただき、「古田史学の会」内外からたくさんご注文をいただいています。「古田史学の会」2015年度賛助会員(年会費5000円)の方へは、明石書店から順次発送されますので、しばらくお待ちください。一般会員の皆さんも、お近くの書店などでお買い求めいただければ幸いです。
 同書の目次を紹介します。ご覧のように古田先生の追悼特集にふさわしい内容とすることができました。また、優れた研究論文も収録しています。おかげさまでとても良い本となりました。今は亡き古田先生にも喜んでいただけるものと思います。

『古田武彦は死なず』 目次

○巻頭言
二〇一五年、慟哭の十月  古田史学の会代表 古賀達也
古代の真実の解明に生涯をかけた古田武彦氏  古田史学の会全国世話人・事務局長 正木 裕

○追悼メッセージ
古代史学の「天岩戸」を開いた古田先生を讃える  荻上紘一
弔意  創価学会インターナショナル会長 池田大作
古田武彦先生を悼む  東北大学教授 佐藤弘夫
古田武彦さんを悼む  学校法人旭学園理事長、考古学者 高島忠平
古田武彦さんを忘れない  中山千夏
古田先生を悼む  桂米團治
追悼 古田武彦先生  森嶋瑤子
同志、古田武彦先生を悼む  明石書店代表取締役会長 石井昭男
古田武彦先生を偲んで  古田武彦と古代史を研究する会会長 藤沢 徹
追悼  多元的古代研究会会長 安藤哲朗
古田先生と齋藤史さん  古田史学の会まつもと 北村明也
古田先生との思いで  古田史学の会・北海道代表 今井俊圀
古田武彦先生への追悼文  古田史学の会・仙台会長 原 廣通
古田武彦という人をどこまでも愛して  古田史学の会・東海会長 竹内 強
古田史学とわたし  水野孝夫
古田先生をしのぶ  古田史学の会・四国会長 阿部誠一
古田武彦先生 追悼文  久留米地名研究会(編集長) 古川清久
「倭人伝」のご返事-古田先生の書簡のご紹介-  野田利郎

○特別掲載 古代史対談
      桂米團治・古田武彦・古賀達也
     (KBS京都ラジオ「本日、米團治日和。」の妙禄。茂山憲史氏による)

○〔再録〕古田武彦先生の記念碑的遺稿
村岡典嗣論 -時代に抗する学問-  古田武彦
アウグスト・ベエクのフィロロギィの方法論について〈序論〉  古田武彦
真実と歴史と国家 -二十一世紀のはじめに-  古田武彦

○論説・古田史学 〔資料 古田武彦研究年譜〕
古田武彦先生の著作と学説  古賀達也
学問は実証よりも論証を重んじる  古賀達也
「言素論」研究のすすめ  古賀達也
資料 古田武彦研究年譜  西村秀己

○研究論文
孫権と俾弥呼
 古田武彦氏の「俾弥呼の魏への戦中遣使」論証を踏まえて  正木 裕
四天王寺と天王寺  服部静尚
盗用された「仁王経・金光明経」講説
 -古田武彦氏の「持統吉野行幸の三十四年遡上」論証を踏まえて-  正木 裕
鞠智城神籠石山城の考察  古賀達也
「イ妥・多利思北孤・鬼前・干食」の由来
 -古田武彦氏の『隋書』イ妥国伝、「釈迦三尊光背名」の解釈を踏まえて-  正木 裕
九州王朝にあった二つの「正倉院」の謎  合田洋一
『日本書紀』の「田身嶺・多武嶺」と大野城
 -古田武彦氏の『書紀』斉明紀の解明を踏まえて-  正木 裕
「唐軍進駐」への素朴な疑問  安随俊昌
倭国(九州王朝)遺産一〇選  古賀達也
「坊ちゃん」と清  西村秀己

○古田史学の会・会則
○「古田史学の会」全国世話人・地域の会 名簿
○編集後記  服部静尚
○二十一集投稿募集要項
○古田史学の会 会員募集


第1121話 2016/01/12

古田先生追悼講演会、迫る! 済み

 大阪府立大学i-siteなんばでの古田武彦先生追悼講演会(17日)が迫ってきました。当日、ご披露させていただく各界からの追悼メッセージや先生の著作目録を収録した案内パンフレットももうすぐ完成します。このパンフレットは当日来場者に無料で進呈いたします。
 追悼会に先だって、追悼文を送っていただいた方々のお名前をご紹介します。(順不同)

荻上紘一様(大妻女子大学学長・新東方史学会会長)
池田大作様(創価学会インターナショナル会長)
高島忠平様(旭学園理事長・考古学者)
佐藤弘夫様(東北大学教授・日本思想史学会前会長)
中山千夏様(作家・タレント)
桂米團治様(落語家)
森嶋瑤子様(経済学者森嶋道夫氏夫人)

 この方々の追悼メッセージは『古代に真実を求めて』19集(明石書店より今春発行)に掲載します。
 追悼会では友好団体の東京古田会の藤沢会長、多元的古代研究会の安藤会長からもご挨拶をいただきます。主賓としてミネルヴァ書房の杉田社長からは弔辞を賜ります。「古田史学の会」の地域の会などの代表からもご挨拶いただきます。わたしからは、古田先生の代表的著作と業績について解説させていただきます。ご遺族を代表され古田光河様からも最後にご挨拶していただく予定です。
 追悼会の後に新井宏先生(韓国国立慶尚大学招聘教授)のご講演「鉛同位体比から視た平原鏡から三角縁神獣鏡」となります。鉛同位体分析による銅鏡分析の最新研究成果をお話しいただけるとのことで、わたしも楽しみにしています。
 講演会終了後は会場の近くのレストラン(オルケスタ)で懇親会(有料)を催し、古田先生を偲びたいと思います。多くの皆様のご参加をお願い申しあげます。
 ※会場などの詳細は「古田史学の会」ホームページ掲載の案内をご覧ください。


第1104話 2015/12/10

佐藤弘夫先生からの追悼文

 東北大学の古田先生の後輩にあたる佐藤弘夫さん(東北大学教授)から古田先生の追悼文をいただきました。とても立派な追悼文で、古田先生との出会いから、その学問の影響についても綴られていました。中でも古田先生の『親鸞思想』(冨山房)を大学4年生のとき初めて読まれた感想を次のように記されています。

 「ひとたび読み始めると、まさに驚きの連続でした。飽くなき執念をもって史料を渉猟し、そこに沈潜していく求道の姿勢。一切の先入観を排し、既存の学問の常識を超えた発想にもとづく方法論の追求。精緻な論証を踏まえて提唱される大胆な仮説。そして、それらのすべての作業に命を吹き込む、文章に込められた熱い気迫。--『親鸞思想』は私に、それまで知らなかった研究の魅力を示してくれました。読了したあとの興奮と感動を、私はいまでもありありと思い出すことができます。学問が人を感動させる力を持つことを、その力を持たなければならないことを、私はこの本を通じて知ることができたのです。」

 佐藤先生のこの感動こそ、わたしたち古田学派の多くが『「邪馬台国」はなかった』を初めて読んだときのものと同じではないでしょうか。
 わたしが初めて佐藤先生を知ったのは、京都府立総合資料館で佐藤先生の日蓮遺文に関する研究論文を偶然読んだときのことでした。それは「国主」という言葉を日蓮は「天皇」の意味で使用しているのか、「将軍」の意味で使用しているのかを、膨大な日蓮遺文の中から全ての「国主」の用例を調査して、結論を求めるという論文でした。その学問の方法が古田先生の『三国志』の中の「壹」と「臺」を全て抜き出すという方法と酷似していたため、古田先生にその論文を報告したのです。そうしたら、佐藤先生は東北大学の後輩であり、日本思想史学会などで旧知の間柄だと、古田先生は言われたのです。それでわたしは「なるほど」と納得したのでした。佐藤先生も古田先生の学問の方法論を受け継がれていたのです。
 その後、わたしは古田先生のご紹介で日本思想史学会に入会し、京都大学などで開催された同学会で佐藤先生とお会いすることとなりました。佐藤先生は同学会の会長も歴任され、押しも押されぬ日本思想史学の重鎮となられ、日蓮研究では日本を代表する研究者です。その佐藤先生からいただいた追悼文を来年1月17日の古田先生追悼講演会でご披露し、『古代に真実を求めて』19集に掲載します。ご期待ください。佐藤先生、立派な追悼文をありがとうございました。


第1087話 2015/11/03

慟哭の10月

 今日は会社で『フリードランダー』(FRIEDLANDER  FORTSCHRITTE DER TEERFARBEN-FABRIKATION 1887-1890)を書庫から探し出して読みました。同書はドイツの有機合成化学の論文集で、現在進めている開発案件が暗礁に乗り上げたため、もう一度古典的合成ルートから確認する必要を感じて読んだものです。表紙もかなり痛んでいる貴重書で、国内で所蔵しているところはかなり珍しいでしょう。
 Dr.Rudolf Nietzki による1890年の論文を探すのが目的でした。日本で言えば明治時代の論文なのですが、今から120年以上も前にドイツではこれだけの化学研究水準だったのかと感動しました。その一部は今でも実際に工業的に使われている化学反応ですから、当時のドイツの工業力や化学技術力はすごいものです。これでは欧米列強により日本以外の有色人種の国々が植民地となり、奴隷状態におかれたのも残念ながらよく理解できます。本当に明治維新による近代化が間に合って、日本国民は幸福でした。
 同書はドイツ語で書かれていますから、最初はほとんど理解できませんでしたが、読んでいるうちに40年前に学校で習ったドイツ語(工業ドイツ語)の単語が少しずつよみがえり、何とか目的の論文であるかどうかは判断できるようになりました。10代の頃習ったドイツ語が還暦になって役立つとは、不思議な感じです。

 10月14日に古田先生が亡くなられ、「慟哭の10月」となりました。「慟哭」の出典は『論語』です。

 「顔淵死す。子、之を哭して慟す。従者曰く、子慟せりと。曰く、慟する有りしか。夫(か)の人の為に慟するに非ずして、誰が為にかせんと。」
              『論語』先進第十一

 「夫(か)の人」最愛の弟子、顔淵の死に、孔子が慟哭したというものです。わたしは尊敬する師を失い、「慟哭の10月」でした。

 その「慟哭の10月」に配信した「洛中洛外日記【号外】」のタイトルは次の通りです。配信をご希望される会員は担当(竹村順弘事務局次長)まで、メールでお申し込みください。

10月の「洛中洛外日記【号外】」配信タイトル

2015/10/03 王仲殊さんご逝去
2015/10/10 映画「図書館戦争」(テレビ録画)の感想
2015/10/11 五戸弁護士からのお礼状
2015/10/13 金沢大学4年生、Kさんからのメール
2015/10/14 『歴史読本』休刊と出版事業の課題
2015/10/17 各界・各氏から弔意のお電話とメール来信
2015/10/22 学士会館での三団体協議
2015/10/27 学士会館での懇談余話
2015/10/31 フェスタ’15 JTCC近畿で講演


第1080話 2015/10/23

古田先生からいただいた宝物

 わたしが31歳のとき、古田先生に初めてお会いしたのですが、先生からはいくつかの「宝物」をいただきました。今回はその中の一つをご紹介します。
 それは2000年5月26日にいただいた、古田先生の自筆原稿「村岡典嗣論 -時代に抗する学問-」です。古田先生の東北大学時代の恩師、村岡典嗣先生を学問的に乗り越えるべく執筆された記念碑的論稿と言ってもよいでしょう。同論文は『古田史学会報』38号(2000年6月)に掲載されましたが、その自筆原稿をわたしにくださったのです。それには次の一文が付されていました。

 「この『村岡典嗣論』わたしにとって記念すべき論稿です。お手もとに御恵存賜らば終生の幸いと存じます。
  二〇〇〇 五月二十六日  古田武彦 拝
 古賀達也様」

 古田先生ご逝去により、『古代に真実を求めて』19集を追悼号としますが、この古田先生自らが「記念すべき論稿」として託された自筆原稿を巻頭写真に掲載し、同論稿を再録したいと思い、服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集長)に検討を要請しました。この自筆原稿をいただいてから15年も経つのかと思うと、感無量です。もう一度、しっかりと読み直したいと思います。


第1076話 2015/10/15

古田武彦先生ご逝去の報告

 古田武彦先生が昨日ご逝去されました(享年89歳。10月14日午後10時13分、搬送先の桂病院にて)。謹んで皆様にご報告申し上げ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 なお、古田先生の御遺命により、葬儀は執り行われず、ご親族によるお別れがなされます。「古田史学の会」としましては、友誼団体ともご相談の上、「お別れ会」(仮称)を執り行います。日時・会場など詳細が決まりましたら改めてご報告申し上げます。
 また、「九州年号特集」を予定していました『古代に真実を求めて』19集(来春発行)は「古田武彦先生追悼号」に変更させていただきます。
 先生の御遺志と学問、古田史学・多元史観をこれからも継承発展させることをお誓い申し上げます。

 平成27年(2015)10月15日
         古田史学の会 代表 古賀達也

古田武彦研究年譜を掲載


第1048話 2015/09/08

盛況!『盗まれた「聖徳太子」伝承』

発刊記念東京講演会済み

 今夜は長岡市のホテルで書いています。長岡駅に隣接するお気に入りのお店でおいしいお酒と食事を済ませて、一息ついたところです。

 6日の『盗まれた「聖徳太子」伝承』発刊記念東京講演会は106名参加者(+主催者6名)で盛況でした。「古田史学の会」としては初めての東京講演会でもあり不安でしたが。多くの皆さんにご参加いただき、ありがとうございました。ご協力いただいた「東京古田会」「多元的古代研究会」をはじめ会場を提供していただいた東京家政学院大学の関係者の皆様に心より御礼申し上げます。
 同講演会の責任者の服部静尚さん(『古代に真実を求めて』編集責任者)は「これからも年に二回は発刊記念講演会を行います」と挨拶されていましたので、これはやるしかないなと覚悟を決めました。ミネルヴァ書房から『「邪馬台国」論争を超えて』(仮称)の年内発行を予定していますから、来春には発刊記念講演会を開催しなければなりませんが、「古田史学の会」役員会での検討と承認が必要です。来春には『古代に真実を求めて』19集(九州年号特集)を発行しますので、その発刊記念講演会も開催できればと思います。
 講演では、正木裕さんが基礎的な「聖徳太子」多元論を丁寧に解説され、わたしからは多利思北孤の弟を「肥後の翁」とする最新の仮説について報告しました。九州王朝系図の「草壁氏系図」の公表は関心を持ってお聞きいただけたようです。

聖徳太子の原像ー姓は阿毎、字は多利思北孤 正木裕

「日出ずる処の天子と『肥後の翁』」古賀達也

 これからも定期的に東京講演会を開催したいと願っています。関東の皆さんに喜んでいただけるような講演会を続けられればと思います。最後に、お手伝いいただいた関東地区の会員の方々に深謝いたします。


第1041話 2015/09/02

東京オリンピック・エンブレム騒動に思う

 佐野研二さんの東京オリンピック・エンブレムが取り下げられましたが、今回のテレビニュースや新聞などの報道姿勢を見ていますと、ちょっと本質から離れた「芸能ニュース」のような違和感を感じています。わたしは芸術家ではありませんので、難しいテーマですが、仕事で開発や特許出願などに関わっていますので、そこでの常識やルールとは異なっているように感じています。
 エンブレムのデザインが模倣(パクリ)かどうかに焦点を当てた報道に終始している観がありますが、創造や発明で問題とすべき本質は「新規性(独創性)」の有無にあります。というのも世界中で行われている開発や創造作業と偶然に一致する、あるいは似てしまうことは起こり得ることですから、模倣の意志の有無とは無関係に、「新規性」がなければ(先行技術・発明が既にあった場合)、取り下げるか断念するしかありません。特許庁も「新規性」の有無を中心に審査します。ですから企業の研究開発においては先行技術・公知・特許などの有無を徹底的に調べますし、特許侵害に相当するか否か微妙な問題がある場合は特許事務所の弁護士や専門家の判断を仰ぎます。それだけ周到に事前調査をしていても、特許が拒絶査定されたり特許侵害で訴えられる可能性があり、その場合は裁判で争うか、話し合いで解決するか、特許出願を取り下げるなどの対応をとることになります。
 今回のエンブレム問題もマスコミはもっと芸術作品としての「新規性」の有無について解説して欲しかったと思います。もちろんそうした視点での専門家のコメントも見られましたが、圧倒的に興味本位の一般大衆受けする「模倣(パクリ)」騒動へとマスコミ報道はなされました。その方が視聴率や雑誌の売り上げが増える(お金になる)からでしょう。
 「古田史学の会」でも『古田史学会報』や『古代に真実を求めて』での採用審査において、先行研究の有無も重要な判断基準になります。古田学派による研究も30年以上の歴史があり、その間に発表された研究もかなりの数にのぼります。ですから、それらを知らずに、あるいは忘れてしまって同じような投稿論文を掲載する恐れがあり、わたしもこの点について自信が持てないときは「古田史学の会」のホームページの検索機能を使って調べたり、他の研究者の意見を求めたりします。似たような結論や論理展開の論文はときおり見かけますが、その場合はその論文に「新規性」や「独創性」があれば、なるべく採用するか、先行説に触れるよう原稿の修正を執筆者に求めることもあります。
 8月の関西例会でも東大阪市の萩野秀公さん(古田史学の会・会員)より、先行説の存在を知らないで発表するリスクを心配する意見が出されました。わたしは、そうしたリスクは常にありますが、それでも例会等で発表することが学問研究にとっては大切であり、もし先行説があれば指摘してもらえるので、例会での発表を「自主規制」する必要はないと返答しました。また、論文として会報などに発表する場合は、その責任は採否を決める側にあるので、あまり心配しないで投稿することをお勧めしました。
 以上、今回のエンブレム騒動を機会に、学問研究のプライオリティーと投稿原稿採否の難しさについて再考してみました。この件、重要ですので、これからもよく考えてみることにします。


第991話 2015/06/30

9月6日(日)東京講演会を企画中

 『盗まれた「聖徳太子」伝承』(『古代に真実を求めて』18集)発刊記念講演会を9月6日(日)午後1時から東京家政学院大学千代田キャンパスにて開催することを企画中です。同書を関東の皆さんに広く紹介するために、明石書店のご協力を得て企画しているものです。友好団体の「多元的古代研究会(多元の会)」「古田武彦と古代史を研究する会(東京古田会)」のご協力もいただけるはこびです。
 当日はわたしと正木裕さん(古田史学の会・事務局長)が講演させていただく予定です。つきましては、当日の受付や書籍販売をお手伝いしていただける協力スタッフを募集しています。関西からは講師二名の他、講演会を企画推進されている服部静尚さん(古田史学の会・全国世話人、『古代に真実を求めて』編集責任者)が参加しますが、現地協力スタッフが必要です。
 謝礼などはお出しできませんが、当日、協力してもよいという方がおられましたら、下記の服部さんのメールアドレスか電話でお知らせいただけないでしょうか。服部さんより詳細の説明とお手伝いしていただく内容などについてご相談させていただくこととなります。どうか、よろしくお願い申しあげます。

【東京講演会 スタッフ協力申込先】
服部静尚 連絡先消去


第927話 2015/04/19

「邪馬台国」論争を越えて

・・・邪馬壹国の歴史学

 今日はi-siteなんばで、「古田史学の会」の編集会議を行いました。今秋、発行予定の『三国志』倭人伝研究の本に関する書名や章立て、掲載稿について審議しました。
 書名について様々な案を検討し、従来の「邪馬台国」本とは内容もレベルも異なることが印象づけられる古田史学らしい書名として次の案が採択され、明石書店に提案することにしました。

 『「邪馬台国」論争を越えて ・・・邪馬壹国の歴史学・・』古田史学の会 編

 章立ても検討中ですが、次のような項目(仮称)と切り口で古田史学・邪馬壹国説を説明します。

 ○巻頭言
 ○初めて古田史学、邪馬壹国説に触れられる皆様へ
 ○古田先生からのメッセージ
 ○倭人伝の位置づけ
 ○短里で書かれた『三国志』
 ○倭人伝の二倍年暦
 ○倭人伝の文物
 ○全ての史学者・考古学者に問う
 ○講演録
 ○『三国志』原文(紹煕本)と古田先生の訳文

 若干の変更はあると思いますが、概ね以上のような内容となります。この本もかなり面白く、かつ後世に残る一冊になりそうです。
 ところで、3月に発刊しました『盗まれた「聖徳太子」伝承』(『古代に真実を求めて』18集)が好評により、明石書店の在庫も底をつきそうですので、増刷の方向で検討を進めています。お買い上げいただいた皆様に御礼申し上げます。


第903話 2015/03/20

『盗まれた「聖徳太子」伝承』発刊

本日、出張先から帰宅すると、明石書店から『盗まれた「聖徳太子」伝承』(『古代に真実を求めて』18集)が届いていました。表紙も中身のレイアウトも一新されており、狙ったとおり以上のリニューアルに成功していました。明石書店の担当の森さんにはかなり頑張っていただき、感謝しています。
冒頭には皇室御物の『法華義疏』のカラー写真が掲載されており、読者はその実相に触れることができます。『古代に真実を求めて』にカラー写真が掲載されたのは初めてですが、編集責任者の服部静尚さんのご尽力の賜です。法隆寺以前の持ち主が書かれていた部分が鋭利な刃物で切り取られた痕跡も写っており、これは同書が近畿天皇家の「聖徳太子」のものではなかったことを意味します。
古田先生へのインタビュー「家永三郎先生との聖徳太子論争から四半世紀を経て」では、古田先生が東北大学の恩師・村岡典嗣先生亡き後、新たに赴任されてきた家永先生に学ばれ、日本思想史の単位を認定していただいたこなどが語られており、先生ご自身による貴重な歴史的証言と思いました。
巻末には、法隆寺釈迦三尊像光背銘と『隋書』「イ妥(タイ)国伝」版本、そして古田先生によるそれらの現代語訳も収録されており、史料として研究にも役立ちます。本書は多元的「聖徳太子」研究における、後世に残る一冊に仕上がったと自負しています。
「古田史学の会」2014年度賛助会員(年会費5000円)には明石書店から順次発送されます。大型書店にも並びますので、是非お買い求めください(定価2800円+税)。次号19集は「九州年号」を特集します。更に『三国志』倭人伝を特集した別冊も発行予定です。こちらもお楽しみに。


第889話 2015/03/06

盗まれた「聖徳太子」伝承

『古代に真実を求めて』第十八集

 

『盗まれた「聖徳太子」伝承』の表紙

今春、明石書店から発行される『盗まれた「聖徳太子」伝承』(『古代に真実を求めて』18集)の表紙カバーのデザインが決まりました。
編集責任者の服部静尚さんから送られてきた画像ファイルによれば、『隋書』イ妥国伝の影印を背景に中央にタイトル(盗まれた「聖徳太子」伝承)があり、 その右には「聖徳太子童子立像」(飛鳥寺所蔵)、下には「法隆寺夢殿」の写真が配され、四隅には原幸子さん(古田史学の会・会員、奈良市)が描かれた絵が あります。裏表紙にも原さんの絵が中央に配されており、素敵な表紙カバーができあがりました。
裏表紙には特集『盗まれた「聖徳太子」伝承』の掲載論文タイトルが並び、書店で手にとっていただいたとき、その内容が目に留まるような配慮がなされてい ます。当初の意図通りのリニューアルに成功しています。同書の発行が待ち遠しく、今からワクワクしています。
『古代に真実を求めて』19集は「九州年号」を特集します。それとは別に、『三国志』倭人伝をテーマとする別冊も企画しています。「古田史学の会」の総力を挙げて、後世に残るような書籍を作りたいと思います。これからも会員の皆様のご協力をお願いいたします。