2014年01月12日一覧

第643話 2014/01/12

賀詞交換会の御報告

 昨日、I-siteなんばで「古田史学の会」賀詞交換会を開催し、古田先生に講演していただきました。講演要旨は『古田史学会報』に掲載しますが、項目と内容について一部御報告します。
 冒頭、「古田史学の会」水野代表よりあいさつがなされ、「古田史学の会・東海」の竹内会長、「古田史学の会・四国」の合田さんからもごあいさつをいただきました。わたしからは、今年の「古田史学の会」出版事業計画の報告をしました。
 古田先生の講演は次のような内容でした(文責・古賀達也)。

○靖国参拝問題について
 『祝詞』「六月の晦(つごもり)の大祓」に「安国」が見える。そこにある「天つ罪」「国つ罪」は具体的で、その「罪」を明確にしている。
 「戦争犯罪」を犯した人物も祀る靖国神社には、こうした「罪」の記述がない。「罪」を具体的に記した『祝詞』とは異なる。
 同時に、中国や朝鮮も日本人虐殺の歴史(元寇など)があるが、「記述」されていない。
 アメリカ軍も日本占領時に日本人婦女子を陵辱したが、このことも伏せられている。GHQが報道させなかった。古今未曾有の戦争犯罪は広島・長崎の原爆投下である。このような戦争犯罪は歴史上なかった。
 自国の悪いことも、相手国の悪いことも共に明らかにし、「罪」として述べることが大切である。これが『祝詞』の精神である。これが「安国」の本来の姿である。

○「言素論」について
 中国語の中にある「日本語」の研究は重要テーマである。たとえば、「崩」(ほう)の字は「葬(ほうむ)る」という日本語からきているのではないか。『礼 記』に見える「昧(まい)は東夷の楽なり」の「昧」は日本語の「舞(まい)」のことではないかとする結論に達していたが、最高人物に対する用語である 「崩」まで日本語であったとすれば、まだ断言はしないが、わたしとしては驚いている。

○『東日流外三郡誌』について
 日本国家が『東日流外三郡誌』記念館・秋田孝季記念館を作ることを提案する。「和田家文書」と言っているが、本来は「秋田家文書」であり、更に遡れば 「安倍家文書」である。この安倍家は安倍首相の先祖である。寛政原本だけでなく、安本美典氏らの偽作説の文献も全て記念館に保存し、将来の「証拠」として 残しておくべき。いずれ真実は明らかとなる。

○アメリカは何故東京に原爆を落とさなかったか
 アメリカ軍は皇居に爆弾を落とさなかった。うっかりミスではない。毎回の爆撃で一回も皇居を意図的には爆撃しなかった。勝った後に天皇家を利用するために、皇居を爆撃しなかった。だから原爆を東京に落とさなかった。
 アメリカ軍はあらかじめ広島の地形を航空写真で完全に調べてから、人体実験として広島に原爆を落としたのである。同様にアメリカは皇居の航空写真を撮っ ていたはずである。その写真に基づいて、爆撃から皇居を外したのである。アメリカにとって、「万世一系」の天皇家は戦後統治のために必要だったのである。 九州王朝はなかったとする大嘘に基づいて、現在も「万世一系」の歴史観が利用されているのである。
 権力を握ったら自分の歴史を飾り、嘘を本当の歴史であるかのように作り直している、と秋田孝季は言っている。秋田孝季の思想からみれば、人類の歴史の中 で国家は発生し、なくなっていくものである。宗教も同様で、宗教がある時代から無い時代へと変わっていく。歴史学とはいかなる権力・宗教にも迎合すること なく、真実を明らかにする学問である。

○井上章一さんの『真実に悔いなし』書評紹介
 ロシアに「ヤナ川」がある。これは日本語であるとの指摘がロシア側の学者からも出されている。方向としてはロシアから日本へ伝播した可能性が高い。
 沿海州の「オロチ族」の「おろち」は「やまたのおろち」の「おろち」と同源である。

 ※「シベリア物語」の歌(古田先生が歌われる)
 「荒れ果てて けわしきところ イルトゥーイシの不毛の岸辺に エルマルクは座して 思いにふける」

 「イルトゥーイシ」は「イルトゥー」までがロシア語で、「イシ」は日本語ではないか。「イ」は神聖なという意味、「シ」は生き死にする場所の「シ」である。「君が代」にも「イシ」がある。「さざれいし」の「いし」とは、神聖な生き死にする場所という意味ではないか。
 日本の地名に「いし」がやたらとでてくるので、石の「いし」なのか、神聖な場所の「いし」なのかを調べてみればよい。自分で調べてから発表すればよいと 言われるかもしれないが、わたしは明日死ぬかもしれないので、今のうちに言っておきます。わたしは早晩死んでいきますが、皆さんにあとをついでほしい。

(古田先生の詩)
 偶詠(ぐうえい) 古田武彦 八十七歳
竹林の道 死の迫り来る音を聞く (12/24)
天 日本を滅ぼすべし 虚偽の歴史を公とし通すとき (12/23)