七世紀の須恵器「服部編年」
本日はドーンセンターで「古田史学の会」関西例会が開催されました。来月、3月19日(土)はアネックスパル法円坂で開催します(参加費1,000円)。
今回の例会で見事だったのが服部静尚さんによる、飛鳥・難波・河内の七世紀の須恵器編年「服部編年」の発表でした。当研究は昨年12月に開催された大阪歴史学会考古学部会で発表されたもので、概要については同月の関西例会でも報告されましたが、今回は諸遺跡の新編年を提示・詳述されました。
まず、服部さんは飛鳥と難波・河内の須恵器編年において、次の三点の基準を示されました。
1. 飛鳥と難波・河内は文化的に一体とみなし、これらを包含する基準とする。飛鳥編年に難波宮・狭山池を加える。
2. 各編年は須恵器「杯」に集約されると見られる。これに焦点を合わせた基準とする。杯H・G・Bの数量比率を中心に。
3. 考古学の所見を編年基準にする。年輪年代・干支年木簡を編年基準に。
この三基準により各遺跡を編年すると、『日本書紀』の記事に基づいた従来の飛鳥編年とは全く異なる年代観が現れました。この新たな「服部編年」は基準が合理的で、杯H・G・Bの出土数量比率を中心に編年するという方法が簡明であり、その論理構造は強固(robust)です。論文発表が待たれます。
発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。発表希望者は西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。
〔2月度関西例会の内容〕
①胡床と朝床とあぐらをかく埴輪 (大山崎町・大原重雄)
②乙巳の変と九州王朝の関係についての一考察 (茨木市・満田正賢)
③孝徳・斉明・天智期の飛鳥における考古学的空白 (八尾市・服部静尚)
④アサクラの語源について (東大阪市・萩野秀公)
⑤長田王の「伊勢娘子の歌」は隼人討伐時に糸島でよまれた歌 (川西市・正木 裕)
◎「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円(三密回避に大部屋使用の場合は1,000円)
03/19(土) 10:00~17:00 会場:アネックスパル法円坂
04/16(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター