古層の神名「くま」
わたしの故郷、久留米市には神代と書いてクマシロと読む地名があります。クマという音に神という字を当てられていることから、神様のことをクマと呼んでいた時代や人々のあったことがうかがえます。
地名でも熊本や球磨・千曲・阿武隈・熊毛・熊野などその他多数のクマが見られます。これら全てが神名のクマを意味していたのかは判りませんが、球磨や熊本などは熊襲との関係から、神名のクマの可能性大です。とすれば、熊襲の場合、クマもソも古層の神名となり、これはただならぬ名称ではないでしょうか。記紀では野蛮な未服の民のような扱いを受けていますが、実はより古い由緒有る部族名のように思われます。
『日本書紀』神功紀には千熊長彦や羽白熊鷲などクマのつく人名が見えます。これらも神名クマに由来していたのではないでしょうか。
このように考えてみると、球磨川は神様の川となり、熊笹は神様の笹、動物の熊は神様そのもの、ということになるのかも。これも面白そうなテーマです。どなたか本格的に研究されてみてはいかがでしょうか。