法興と聖徳
2月19日の関西例会では、竹村さんが6件という驚異的な数の発表をされました。百済など古代朝鮮に関する研究が中心で、わたしにとっては不勉強な分野ですので初めて知ることも多く、参考になりました。竹村さんを中心として、最近の関西例会はちょっとした韓流ブームです。
正木さんからは、『二中歴』に見えない九州年号「法興」「聖徳」についての新仮説の発表で、触発されました。この二年号を多利思北孤と利歌弥多弗利の 「法名」「法号」ではないかという仮説です。また、多利思北孤と煬帝の出家が同年ではなかったかとの指摘もあり、こちらも興味深いテーマです。会報での発表が待たれます。
2月例会の発表は次の通りでした。
〔古田史学の会・2月度関西例会の内容〕
○研究発表
1). 宇佐八幡妄想 (豊中市・木村賢司)
2). P.Fドラッカーと森嶋通夫 (豊中市・木村賢司)
3). 歴史を学んでどう生きる (豊中市・木村賢司)
4). 遊・学同源 (豊中市・木村賢司)
5). 平成の鎖国 (豊中市・木村賢司)
6). 応神紀弓月君と佛流百済 (木津川市・竹村順弘)
7). 南史と北史の温度差 (木津川市・竹村順弘)
8). 雄略紀の百済滅亡記事 (木津川市・竹村順弘)
9). 華北の穢貊人観と江南の倭人観 (木津川市・竹村順弘)
10).百済の馬韓制圧と神功紀 (木津川市・竹村順弘)
11).世子の倭王興 (木津川市・竹村順弘)
12).隅田八幡神社人物画像鏡の銘文 (京都市・岡下英男)
13). 法興・聖徳年号とは何か(試案) (川西市・正木裕)
釈迦三尊の光背銘や伊予温湯碑に見える「法興」は、法王たる多利思北孤の「法号・法名」であり、彼が法号を授かった五九一年時を元年とする。 聖徳は、同様に多利思北孤の太子「利」の法号である。従って九州王朝の年号というより、多利思北孤と利の個人の「仏教上の年期」を示すものである事を、隋や倭国における法号授与の経緯、法興に「元」が付される事、法皇・菩薩天子は「法号」を持たねばならない事等を根拠として示した。
14). 「橿と檍」、そしてイザナギと神武帝(大阪市・西井健一郎)
○水野代表報告
古田氏近況・会務報告・行基と道照と智通・他(奈良市・水野孝夫)