2014年02月09日一覧

第659話 2014/02/09

名古屋市博物館「文字のチカラ」展

 「洛中洛外日記」657話で紹介しました名古屋市博物館「文字のチカラ」展で すが、『古事記』真福寺本以外にも、大須観音(真福寺)所蔵の国宝『漢書』食貨志や、「大宝二年御野国加毛郡半布里戸籍断簡」(個人蔵)も出展されており、大きな規模ではないのですが、出色の展示会です。金石文でも「王賜銘鉄剣」(千葉県市原市稲荷台1号墳出土)の他、複製品ではありますが、「七支刀」 「江田船山古墳出土大刀」「『各田部臣』銀象眼大刀」などが展示されています。
 展示以外に感心したのが、会場で販売されている展示解説図録『文字のチカラ』です。カラー写真満載の160頁で価格は1000円。資料としてとても良いものでした。解説の内容は一元史観に基づいていますから、この点は割り引く必要がありますが。
 同展示会は2月16日までです。東海地区の皆さんには特におすすめです。


第658話 2014/02/09

熊本県の旧家から九州年号史料発見

 先週、熊本県玉名郡和水(なごみ)町の前垣さんという方から拙宅にお電話があり、地元の庄屋だった家から大量の古文書が見つかり、その中に「九州年号」が記されたものがあるとのことでした。前垣さんは当地の菊水史談会の方で、『「九州年号」の研究』を図書館で読み、九州年号やわたしのことを知ったとのことでした。それでその九州年号史料のことをわたしに知らせるために、わざわざ連絡先を調べてお電話をくださったのでした。
 前垣さんのお話によると、大量の古文書の中で、九州年号が記されているのは一点だけのようで、「善記」「正和」「朱雀」「大化」「大長」などの九州年号が記されているそうです。成立は江戸時代のようでした。同九州年号史料のコピーを送っていただけることになりましたので、楽しみにしています。
 和水町には有名な江田船山古墳があります。そのような地で発見された九州年号史料ですから、とても興味深いものです。コピーが届きましたら、改めて御報告します。それにしても、『「九州年号」の研究』がいろんなところで読まれ、発見された九州年号史料のことをご連絡いただける時代になったようで、大変ありがたいことです。