『古田史学会報』157号のご紹介
『古田史学会報』157号が発行されましたので紹介します。
本号の一面は札幌市の阿部さんの論稿です。九州年号の使用が仏教関連に限定されており、九州王朝律令には政治的公文書に年号使用の規定はなかったとする研究です。わたしの説とは異なりますが、史料根拠と論理性が明確な好論です。カール・ポパーが「反証主義」で主張しているように、学問(科学)においては「反証可能性」の有無が重要で、阿部稿にはこの「反証可能性」が担保されています。
わたしは、「九州王朝系近江朝廷の『血統』 ―『男系継承』と『不改常典』『倭根子』―」と「松江市出土の硯に『文字』発見 ―銅鐸圏での文字使用の痕跡か―」の2編を発表しました。いずれも従来にはない視点で各テーマを取り上げました。ご批判をお願いします。
大原稿は三星堆の青銅立人と土偶の共通性を論じたもので、先駆的な仮説であり、説得力を感じました。好論です。
157号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚程度)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。
本号は会費振込用紙を同封して会員の皆様に発送しています。2020年度会費の納入をお願いします(一般会員3,000円、賛助会員5,000円)。
『古田史学会報』157号の内容
○「倭国年号」と「仏教」の関係 札幌市 阿部周一
○九州王朝系近江朝廷の「血統」 ―「男系継承」と「不改常典」「倭根子」― 京都市 古賀達也
○七世紀後半に近畿天皇家が政権奪取するまで 八尾市 服部静尚
○松江市出土の硯に「文字」発見 ―銅鐸圏での文字使用の痕跡か―
○三星堆の青銅立人と土偶の神を招く手 京都府大山崎町 大原重雄
○沖ノ島出土のカットグラスはペルシャ製 編集部
○「壹」から始める古田史学・二十三
磐井没後の九州王朝3 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○『古田史学会報』原稿募集
○古田史学の会・関西 史跡めぐりハイキング
○古田史学の会・関西例会のご案内
○各種講演会のお知らせと連絡先
○2020年度会費納入のお願い
○新型コロナウィルスの対策方針として 古田史学の会・代表 古賀達也
○編集後記 西村秀己