2021年04月14日一覧

第2434話 2021/04/14

『古田史学会報』163号の紹介

 『古田史学会報』163号が発行されましたので紹介します。
一面の正木稿は、7世紀における九州王朝の天子の変遷について本格的に論じたもので、いずれ「九州王朝通史」として結実するものと期待しています。
日野稿は、前号掲載の西村秀己稿の問題提起「九州王朝(倭国)のナンバーワンの称号が天皇でなければ、それ以上の称号を提示すべき」に対しての一つの解答を示したもので、史料根拠を明示して、「法皇」「中皇命」とする仮説を提起されました。この日野稿に対して、西村稿では、再度批判がなされました。
服部稿では、野中寺彌勒菩薩像銘文に見える「中宮天皇」を九州王朝の女帝(倭姫王)とされました。

 わたしは、『古田史学会報』採用審査の難しさについて、特許審査の例をあげて解説しました。
163号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚程度)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。

【『古田史学会報』163号の内容】
○九州王朝の天子の系列(上) 川西市 正木 裕
多利思北孤・利歌彌多弗利から、唐と礼を争った天子の即位
○九州王朝の「法皇」と「天皇」 たつの市 日野智貴
○野中寺彌勒菩薩像銘と女帝 八尾市 服部静尚
○「法皇」称号は九州王朝(倭国)のナンバーワン称号か? 高松市 西村秀己
○「壹」から始める古田史学・二十九
多利思北孤の時代Ⅵ ―多利思北孤の事績― 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○『古田史学会報』採用審査の困難さ 編集部 古賀達也
○2021年度会費納入のお願い
○『古田史学会報』原稿募集
○史跡めぐりハイキング 古田史学の会・関西
○古田史学の会・関西例会のご案内
○各種講演会のお知らせ
○編集後記 西村秀己