京都市埋蔵文化財研究所
・深草収蔵庫を訪問
今日は京都市埋蔵文化財研究所・深草収蔵庫を訪問しました。同研究所の高橋潔さんにお会いするためです。高橋さんは、35年にわたり京都市域の遺跡発掘に携わってきた現役の考古学者です。来年1月21日(土)、京都駅前のキャンパスプラザ京都で開催する新春古代史講演会で講演していただけることとなり、その打ち合わせを行いました。
講演テーマは「京都の飛鳥・白鳳寺院 ―平安京遷都前の北山背―」です。このテーマは3年前に開催された展示会(注①)と同じ内容で、七世紀に建築された京都市域の古代寺院の発掘成果に関するものです。同展示をわたしも拝見したのですが、これほどの大型寺院群が『日本書紀』にも記されておらず、この地に存在していたことに驚きました。おそらく、近畿天皇家とは別の勢力の影響の下に創建されたものと推定しています(注②)。
新春講演会の詳細はこれから検討を進めますが、おそらく多くの皆さんにとって、初めて聞く講演内容と思います。ご期待ください。
【令和5年新春古代史講演会】
□日時 2023年1月21日(土) 午後1時~5時を予定
□会場 キャンパスプラザ京都 4階第3講義室 定員170名
□主催 古田史学の会・他
□高橋潔さんのご紹介
公益財団法人 京都市埋蔵文化財研究所 資料担当課長。
1963年京都市生まれ。1988年京都市埋蔵文化財研究所入所、以後京都市内の遺跡、平安京跡をはじめ、多くの遺跡の発掘調査を実施、京都市考古資料館副館長を経て、2022年より現職。
主な著作:「山背国時代の寺院」(共著)『平安京提要』角川書店、1994年。『上里遺跡Ⅰ ―縄文時代晩期集落遺跡の調査―』京都市埋蔵文化財研究所調査報告第24冊、2010年。「遷都以前の山背国」『恒久の都 平安京(古代の都3)』吉川弘文館、2010年。他。
(注)
①2019年、京都市考古資料館(上京区)で開催された特別展示「京都の飛鳥・白鳳寺院 -平安京遷都以前の北山背-」。
②古賀達也「洛中洛外日記」1885~1890話(2019/05/05~09)〝京都市域(北山背)の古代寺院(1)~(6)〟
同「山城(京都市)の古代寺院と九州王朝」『東京古田会ニュース』188号、2019年。