秋田孝季の父、橘左近の痕跡調査(2)
中村秀美さん(古田史学の会・会員、長崎市)は久留米大学の公開講座に毎年のように参加されている熱心な方です。その御縁で、講演後に夕食をご一緒することになりました。今年の食事会でも久留米大学の福山先生らとともに楽しい一夕を過ごしました。
その折、和田家文書が話題にのぼり、偽作説への反証として『東日流外三郡誌』を編纂した秋田孝季実在の証明が有効であることを説明しました。その具体的な方法として、孝季のお父さんの橘左近が長崎出島でオランダ通詞をしていたとのことなので、通詞のリストなどから実在を証明できる可能性があり、長崎市に住んでいる中村さんに調査を依頼しました。
そうしたら、早速、現地の史料情況の解説や幕末頃の通詞一覧(万記帳)コピーが送られてきました。長崎市の図書館や資料館を巡り、調査を開始されたのですが、当初、思っていたよりも江戸期のオランダ関連資料が残されていることがわかりました。「橘左近」調査は始まったばかりですが、これから何が出てくるのか楽しみです。(つづく)