2024年07月一覧

第3316話 2024/07/02

『古代に真実を求めて』28集

        の投稿募集要項

 「古田史学の会」の会員論集『古代に真実を求めて』28集の投稿締め切り日は本年9月30日です。特集テーマは「風土記・地誌の九州王朝」です。下記の規定に従ってご投稿ください。

①特集論文・一般論文(一万五千字以内)、フォーラム(随筆・紀行文など。五千字以内)、コラム(解説小文。二千字程度)を募集します。
論文は新規の研究であること。他誌掲載論文、二重投稿、これに類するものは採用しません。それとは別に、編集部の判断に基づき、他誌掲載稿を転載することがあります。
②採用稿を本会ホームページに掲載することがありますので、ご承諾の上、投稿してください。
③28集の特集テーマは「風土記・地誌の九州王朝」です。古田史学・多元史観の継承発展に寄与できる論文をご投稿ください。
④投稿は一人四編までとします〔編集部からの依頼原稿を除く〕。
⑤投稿締め切り 令和六年(二〇二四)九月末
⑥原稿はワード、またはテキストファイル形式で提出して下さい。ワードの特殊機能(ルビ、段落自動設定など)は使用しないで下さい。ルビは()内に付記してください〔例 古田史学(ふるたしがく)〕。

 掲載する写真や表は、文書ファイルとは別に写真ファイル・エクセルファイルとして提出して下さい(ワード掲載写真は画像が不鮮明になるため)。その際、写真・表の掲載位置を原稿中に指示してください。
⑦投稿先 古賀達也まで。詳しくは27集末尾の投稿要項をご覧下さい。

 以下は採用審査における基本視点と執筆上の諸注意です。ご留意下さい。

Ⅰ.審査時の視点
(1) 「新規性」と「進歩性」
この二点が無ければ不採用となります。

(2) エビデンスの明示、エビデンスに対する解釈の合理性と普遍性
提示したエビデンス(史料事実や出土事実)が間違っていたり、不適切な論稿は審査以前の問題で、失格です。解釈の当否は重要な審査対象となります。ここで新説としての優劣を判断します。

(3) 先行説(特に古田説)の紹介と自説との比較説明
古田史学支持者が主たる読者である「古田史学論集」への投稿ですから、古田説と異なる新説については、古田説の正確な引用・紹介と丁寧な説明が要請されます。

(4) 話題性、面白さ、わかりやすさ、字数・文章の簡潔性
これらは読者への配慮であり、出版事業としても不可欠の視点です。

Ⅱ.論文の構成と様式

(1) 冒頭に要旨と結論を略記してください。学術論文は推理小説ではありませんから、読み進めなければ結論がわからないような構成は不適切です。短文の場合はこの限りではありません。

(2) 引用・参照文献の紹介と後注の書式について。
書式例) 著者名「論文名」『文献名』発行社、発行年次(西暦、必要であれば年号を併記)。
例) 古田武彦『「邪馬台国」はなかった ―解読された倭人伝の謎―』朝日新聞社、一九七一年。ミネルヴァ書房より復刻。
例) 中島恒次郞「日本古代の大宰府管内における食器生産」『大宰府の研究』高志書院、二〇一八年。

(3) 縦書きを前提として、漢数字と英数字を使い分けてください。難字にはルビをふってください。


第3315話 2024/07/01

予期せぬ成果、

     公開講座聴講者に異変あり

 二十数年ぶりの同窓会(久留米高専化学科11期・昭和51年卒)と久留米大学公開講座での講演を盛会に終えることができました。昨晩からの大雨で、JR在来線がだだ遅れなので、久留米駅から九州新幹線みずほで新大阪まで向かっています。みずほは車両がグリーン車と同じ4列シートですからお得感があります。また、内装やシートの造りも高級感にあふれ、とても気に入っています。

 二十年ほど前に、仕事でJR九州の車両内装の製品開発を行ったことがありますが、JR九州の専属デザイナーは色やデザイン、素材にこだわる芸術家で、少々、コストがかかっても優れたものを使いたいという人物でした。ですから、わたしも初めて手がける素材(採用されていれば、恐らく車両用途としては世界初)でしたので、試行錯誤しながら開発を進めたことを覚えています(守秘義務があり、これ以上は申せませんが)。そうした経験もあって、わたしは九州新幹線やJR九州のファンです。

 昨日の公開講座のあと、久留米大学の福山教授や長崎市から参加さている聴講者の中村秀美さん(古田史学の会・会員)、菊池さん(久留米市)と夕食をご一緒させて頂きました。中村さん・菊池さんには和田家文書研究でもご協力いただいており、中村さんには長崎出島オランダ語通詞の調査もしていただきました(注①)。夕食会では、気になっていたことを福山先生にたずねました。

 「今日の講演会の参加者は若者が多く、見たところ四人に一人は40代以下のようでした。なかには20代の女性もいました。これは今までにはなかったことと思いますが、募集方法でも変わったのでしょうか。」

 「わたしも始めて見る方が少なくありませんでした。今回の受講者70名強の内、初めての参加者が40名もあり、驚いています。コロナあけということもあり、古くからのリピーターは減少していますが、初参加者が急増した理由はわかりません。」

 「どこでこの講座のことを知ったのかなどの調査はされていませんか。」

 「次週の正木裕さん(古田史学の会・事務局長)の講演時にアンケート調査を予定しています。」

 「是非、その調査結果を教えて下さい。若い人々に古田史学・古田説を伝えるにはどのようなアプローチが効果的なのか、そうしたニーズはどこにどの程度存在するのか、わたしたちも苦慮しています。今回のような〝予期せぬ成果〟の出現は、マーケティングでも顧客クレームと同様に重視すべきこととされています。よろしくお願いします。」

 このような会話を交わしました。おそらく、わたしたちが気づかないところで、日本人の意識や社会構造に変化が起こっているはずです。そのことに誰よりも早く気づき、まだ誰もやったことのない新たなムーブメントやサービスを提供した者だけが時代(業界)の先駆者となり、その中の誰かが勝者になるはずてす。帰宅したら、ドラッカーの『非営利組織の経営』(注②)を読み直し、改めて勉強しなおしたいと思います。

(注)
①古賀達也「洛中洛外日記」3068~3071話(2023/07/14~17)〝秋田孝季の父、橘左近の痕跡調査(1)~(2)〟
②P.F.ドラッカー『非営利組織の経営』ドラッカー名著集4、ダイヤモンド社、2007年。