2025年06月21日一覧

第3499話 2025/05/21

『古事記』序文、古田先生からの叱責

 本日、 「古田史学の会」関西例会が東成区民センターで開催されました。7月例会の会場は豊中倶楽部自治会館です。

 今回の例会では萩野秀公さんから『古事記』序文などについての研究が発表されたのですが、質疑応答のおり、〝古事記とは稗田阿礼が口述した記憶を太安萬侶が筆録したもの〟とする理解に対して、それは誤解であると述べました。実はそのことについて、わたしにはほろ苦い思い出がありました。

 それは今から34年前のこと。信州の昭和薬科大学諏訪校舎で一週間にわたり開催された「シンポジウム 「邪馬台国」徹底論争」(主催:東方史学会、平成三年(1991)8月)に、わたしは「市民の古代研究会」事務局長として同シンポジウム実行委員会に参画していました。会場での質疑応答の時、〝古事記は稗田阿礼の言葉を太安萬侶が筆録したもの〟と、わたしが不用意に発言したとたん、古田先生から〝それは誤りであり、稗田阿礼の口述以外の史料にも基づいて古事記は編纂されている〟とのご注意がありました。そして、こんなことも知らないのかと言わんばかりの勢いで厳しく叱責されました。数百人の聴衆の面前でしたので、自らの不勉強を深く恥じ入りました。入門以来、これほど先生から叱られたのも初めての経験でしたので、それからは生半可な知識や思いつきで、もっともらしく意見を述べることはしないよう、気をつけてきました。三十代半ばの頃、こうした苦い経験がありましたので、例会での発言に至ったものです。

 6月例会では下記の発表がありました。関西例会担当者が西村さんから上田さんに交替しましたので、発表希望者は上田武さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを20部作成されるようお願いします。

〔6月度関西例会の内容〕
①万葉集と現地伝承に見る「猟に斃れた大王」 (川西市・正木 裕)
②仁徳帝 ―縄文語で解く記紀の神々― (大阪市・西井健一郎)
③『もう一つの万葉集』李寧煕著の紹介 (大阪市・西井健一郎)
④関西例会会計報告・ハイキング報告 (八尾市・上田武)
⑤九州の遺跡が示す卑弥呼の三角縁鏡 など (大山崎町・大原重雄)
⑥皇国史観について (大山崎町・大原重雄)
⑦続・『記紀』及び『続紀』等の根本資料について (東大阪市・萩野秀公)

◎会務報告 (古賀達也)
❶6/22(日)会員総会・記念講演会の受付協力要請
❷秋(9~10月)の出版記念東京講演会の状況報告
❸九州古代史の会月例会(福岡市)で古賀(7/05)・正木(7/26)が講演
❹久留米大学公開講座で古賀(7/06)・正木(7/27)が講演

□「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円
07/19(土) 10:00~17:00 会場 豊中倶楽部自治会館
08/16(土) 10:00~17:00 会場 豊中倶楽部自治会館
09/20(土) 10:00~17:00 会場 東成区民センター 601号集会室
10/18(土) 10:00~17:00 会場 豊中倶楽部自治会館

※6/22(日)は会員総会・記念講演会(会場:I-siteなんば・大阪公立大学なんばサテライト)。