2025年12月21日一覧

第3562話 2025/12/21

邪馬壹国説は古田史学の脊柱

 昨日、「古田史学の会」関西例会が大阪駅前第2ビル(大阪市立総合生涯学習センター)で開催されました。とても懐かしい会場です。リモート配信のワイファイ環境も良く、使用料はちょっと高いのですが、全国の希望会員への配信事業を円滑に進めるためにも皆さんのご理解と現地参加にご協力をお願いいたします。今回のリモート参加は5名でした。リモート参加希望の会員はメールアドレスを本会までお知らせ下さい。

 来年1月例会〔1/17(土)〕の会場は大阪産業創造館(大阪市中央区本町)です。その翌日〔1/18(日)〕は茨木市で新春講演会です。こちらにもご参加下さい。

 今回の関西例会では大原さんより、『古田史学会報』191号に掲載されたわたしの論稿「荻上命題と古田論証 ―邪馬壹国の証明―」への批判がなされました。わたしは、『多元』188号(2025年7月)に掲載された荻上紘一氏による命題「女王卑弥呼の国の名前が邪馬臺国であったことを疑うことは出来ない」に対して、古田先生の邪馬壹国説が最も論理的であり、最有力説としました。そして、古田先生の著書(主に『邪馬壹国の証明』)に記された論証を転載・引用し、邪馬壹国説に至った論証などを説明したものです。その拙論を批判された大原さんの発表に対して、参加者からは賛否両論が出され、激しい論争が続きました。

 邪馬壹国説は古田史学の脊柱であり、その学問の方法も従来の邪馬台国論争とは異次元のレベルのものです。すなわち邪馬壹国説は数ある古田説の中の、単なる一つの説ではありません。今回出された賛否両論を踏まえて、邪馬壹国説成立に至る古田先生の論証群を改めて紹介し、その画期性を論じる必要を感じています。そのため、40年前に読んだ古田先生の初期著作群を読み直すことにしました。

 12月例会では下記の発表がありました。発表希望者は上田さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。
なお、古田史学の会・会員は関西例会にリモート参加(聴講)ができますので、参加希望される会員はメールアドレスを本会までお知らせ下さい。

〔12月度関西例会の内容〕
①三韓(新羅、任那、百済)と倭国との関わりの推移 (高槻市・池上正道)
②二四代継体帝と四つの崩御日 (大阪市・西井健一郞)
③森博達氏の『日本書紀』中国人述作説の再検討 (八尾市・服部静尚)
④消えた大陸からやってきた縄文人 (大山崎町・大原重雄)
⑤『古田史学会報』№191 邪馬壹国の証明は的外れ (大山崎町・大原重雄)
⑥倭王のミヤコ「倭京」 (東大阪市・萩野秀公)
⑦「真の継体陵」とは? [再論] ―今城塚古墳をめぐる論理的諸問題― (神戸市・谷本 茂)
⑧701年の王朝交代と朝鮮半島方式から中国方式への転換 (茨木市・満田正賢)
⑨蘇我氏の年号と大化の改新 (姫路市・野田利郎)

□「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円
1/17(土) 10:00~17:00 会場:大阪産業創造館 (大阪市中央区本町1-4-5)地下鉄中央線堺筋本町駅から東へ徒歩5分