二つの万葉歌の新史料批判、
池上説と正木説
昨日、「古田史学の会」関西例会が大阪産業創造館(大阪市中央区本町)で開催されました。宇治市から中村さん(非会員)が初参加されました。リモート参加(無料)は先月より倍増し、10名でした。リモート参加希望の会員はメールアドレスを本会事務局(上田)までお知らせ下さい。
関西在住の方は、なるべく「会場参加」していただければ有り難いです。交通の便(駅の近く)が良く、ネット配信環境が良い会場は使用料が高く、例会参加費(500円)収入が少ないとが赤字になりますので、ご協力のほどお願い申し上げます。2月例会〔2/21(土)〕の会場は大阪駅前第2ビル(大阪市立総合生涯学習センター)です。
今回の関西例会では池上洋さんが例会発表デビューされました。万葉歌の柿本人麿の「近江荒都歌」に見える枕詞「ささなみの」を意味別に7分類して史料批判を行い、同歌の解釈における古田説の当否を論じたものです。その結論として、古田先生の〝「ささなみ」という地名には、無残に殺された忍熊王たちを連想させる〟と解釈できる可能姓は低いとしました。池上さんの見解の当否はおくとしても、万葉歌中の「ささなみ」全用例調査という学問の方法による、多元史観での興味深いアプローチと思いました。
正木裕さんの発表は瀬戸内海の潮流に基づいた仮説で、従来にない視点であり、説得力を感じました。それは万葉8番歌の〝ニキタ津で月が昇るのを待って船出する〟という歌の通りであれば、そのとき瀬戸内海は満潮となり、海流により船は西(筑紫)ではなく東(難波)に向かうという自然現象を根拠として、斉明紀に見える「西への航海記事」を、九州王朝の天子による「東への航海記事」からの盗用とする新説です。
1月例会では下記の発表がありました。発表希望者は上田さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。発表者はレジュメを25部作成されるようお願いします。なお、古田史学の会・会員は関西例会にリモート参加(無料)ができますので、参加希望される会員はメールアドレスを本会事務局(上田)までお知らせ下さい。
〔1月度関西例会の内容〕
①古田武彦氏論文「近江のまぼろし」の検証 ―万葉集の「ささなみ」全調査を基に― (京都市・池上 洋)
②倭国の滅亡 (姫路市・野田利郎)
③欽明紀の日影皇女分注に関する考察 (茨木市・満田正賢)
④「斉明」の航海は九州王朝の天子の航海 (川西市・正木 裕)
⑤縄文語で解く記紀の神々 安閑・宣化帝・欽明帝 (大阪市・西井健一郞)
⑥本歌取りならぬ本句取り (八尾市・服部静尚)
⑦藤原二題 (八尾市・服部静尚)
⑧冬芽と葉痕で土偶を読む & 逃げる穀霊の捕縛と稲束の関係 (大山崎町・大原重雄)
□「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費500円
2/21(土) 10:00~17:00 会場:大阪市立総合生涯学習センター(大阪駅前第2ビル)