第50話 2005/12/01

「そ」の神・新具蘇姫命(にいぐそひめのみこと)

 「そ」の神様を捜していたら、また冨川ケイ子さん(本会会員、相模原市)からメイルで『延喜式』の式内社に新具蘇姫命(にいぐそひめのみこと)神社があることをお知らせいただきました。所在地は石見の国、島根県大田市川合町ですが、同町には石見国一ノ宮の物部神社もあり、古代より当地の中心地だったことがうかがわれます。
 現代の感覚でいえば、お姫様の名前に「にいぐそ」はないと思いますが、逆にそれだけ古い神名である証拠ではないでしょうか。おそらく、「にいぐそ」とは新しい糞という意味ではなく、新しい「ぐ」の「そ」の神様のように思われます。「ぐ」の意味はわかりませんが、「かぐつち」や「香具山」と共通する「ぐ」という何らかの概念があったのでしょう。
 新具蘇姫命はこの神社にしか祀られていないとのことで、たぶん在地の主神だったと思います。もしかすると石見国を代表する古い神様だった可能性も否定できないと思います。しかも女性の神様ですから、縄文時代にまで遡れるかもしれませんね。そうでなければ、一ノ宮の物部神社の近くで、こんな名前の「そ」の神様が祀られ続けてきた理由がわかりません。わたしのカンでは物部神社よりも古い神様だと思います。さらにいえば、物部神社とも何らかの関係があったのではないかと想像していますが、この点については12月の関西例会で発表することにします。
 「そ」の神様、探せばもっと見つかりそうです

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