『古田史学会報』158号の紹介
『古田史学会報』158号が発行されましたので紹介します。今号には『隋書』の研究論文が集まりました。いずれも関西例会で論争となったテーマで力作です。中でも谷本稿は説得力を感じました。これからの論争や研究の深化が期待されます。
また、正木さんによる九州王朝史の連載も多利思北孤の時代に入りました。いずれ本格的な九州王朝通史として発表していただきたいと願っています。
わたしは、「都城造営尺の論理と編年」を発表しました。本年一月十九日に開催した「新春古代史講演会2020」(古田史学の会・共催)での高橋 工さん(一般財団法人大阪市文化財協会調査課長)の講演「難波宮・難波京の最新発掘成果」で得た新知見を取り入れたものです。これからは文献史学も考古学の安定した最新成果を意識した立論が大切と思います。少なくとも、考古学的知見との整合性が無い仮説は説得力が低下することでしょう。
158号に掲載された論稿は次の通りです。投稿される方は字数制限(400字詰め原稿用紙15枚程度)に配慮され、テーマを絞り込んだ簡潔な原稿とされるようお願いします。
【古田史学会報』158号の内容】
○会員総会中止の代替措置の報告 古田史学の会・代表 古賀達也
○『隋書』俀国伝の「俀王の都(邪靡堆)」の位置について 神戸市 谷本 茂
○イ妥王の都への行程記事を読む ―『隋書』俀国伝の新解釈― 姫路市 野田利郎
○『隋書』音楽志における倭国の表記 京都市 岡下英男
○都城造営尺の論理と編年 ―二つの難波京造営尺― 京都市 古賀達也
○「壹」から始める古田史学・二十四
多利思北孤の時代Ⅰ ―「蘇我・物部戦争」以前― 古田史学の会・事務局長 正木 裕
○『古田史学会報』原稿募集
○編集後記 西村秀己