エクアドルの甕棺墓
エクアドルのバルディビア調査旅行から古田先生や大下さん(本会事務局次長)らが、多大な研究成果と共に無事帰国されました。そられの詳細な報告は別途報告会を企画していますが、その成果の一つに、エクアドルから出土していた甕棺(みかかん)墓があります。
二つの甕棺の開口部どおしを繋ぎ合わせたもので、北部九州の弥生時代の甕棺墓に極めて類似した墓制です。ただ、北部九州のものは横に寝かされています が、エクアドルのものは縦に立てられています。年代も紀元前500年から紀元後500年と博物館によって説明がまちまちだったそうです。
しかし、バルディビアの縄文式土器と共に、甕棺墓まで日本列島のものと類似していたとは、驚きでした。これらの類似は古代倭人が太平洋を渡ったとする『三国志』倭人伝の記述が正確であったことの証拠といえます。
更に、いわゆる「邪馬台国」論争にも決定的な意味を持っていると思われます。何故なら、太平洋を渡った倭人は、甕棺墓という墓制を持った北部九州の倭人だったということになり、邪馬台国畿内説はますます成立困難となったからです。
ご高齢をおしてのエクアドル調査旅行に、わたしは心配していましたが、こうした成果を携えて帰国された古田先生に、あらためて脱帽です。本当にすごい先生です。