第2110話 2020/08/22

旧石器捏造事件の想い出

 本日、「古田史学の会」関西例会が開催されました。司会の西村秀己さん(全国世話人、高松市)が所用で参加されなかったので、正木裕さん(古田史学の会・事務局長)に司会進行を担当していただきました。わたしはご町内(上京区梶井町)の地蔵盆のため、1時間ほど遅刻しましたので、服部さんの発表を聞けませんでした。そこで、お昼の休憩時間に概要を教えていただきました。
 今回の発表では、大原さん(『古代に真実を求めて』編集部)による、旧石器捏造事件の解説は特に印象的でした。当時、特定人物による旧石器の発見が続出したことを疑問視する考古学者は少なくなかったのですが、学界の「権威」に対して沈黙したこと、事件には「共犯者」がいたとする見解などが紹介されました。そして、「事件を風化させない継続的な働きかけや考古学への外部チェックのような存在として古田史学はその役割を発揮しなければならないのではないか」と締めくくられました。
 旧石器捏造事件が発覚する前に、古田先生はその捏造の当事者に会われたことがあるとお聞きしました。その後、「古田史学の会・仙台」がその人物に講演をお願いしたところ、急に態度がよそよそしくなり、交流が途絶えたとのことです。そしてその直後に捏造事件が明るみになったことなど、わたしは大原さんの発表を聞いていて思い出しました。
 正木さんからは『隋書』や『日本書紀』に見える、中国(隋・唐)と日本(九州王朝・近畿天皇家)との国書や交流記事についての古田先生の説が初期の頃と晩年とでどのように変化したのかについて解説され、それぞれの問題点とその解決案についての発表がありました。かなり重要で複雑な論証を含む内容ですので、別の機会に改めて論じたいと思います。
 今回の例会発表は次の通りでした。なお、発表者はレジュメを40部作成されるようお願いします。発表希望者も増えていますので、早めに西村秀己さんにメール(携帯電話アドレス)か電話で発表申請を行ってください。

〔8月度関西例会の内容〕
①秦韓慕韓問題(八尾市・服部静尚)
②倭地周旋と邪馬台国論(姫路市・野田利郎)
③風化させてはならない旧石器捏造事件(大山崎町・大原重雄)
④欽明天皇の存在にまつわる不可思議(茨木市・満田正賢)
⑤「驛」記事の検証(東大阪市・萩野秀公)
⑥『書紀』の「小野妹子の遣唐使」記事とは何か(川西市・正木 裕)

◆「古田史学の会」関西例会(第三土曜日) 参加費1,000円(「三密」の回避に大部屋使用のため)
 09/19(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 10/17(土) 10:00~17:00 会場:ドーンセンター
 11/21(土) 10:00~17:00 会場:福島区民センター(※参加費500円)

《各講演会・研究会のご案内》
◆「市民古代史の会・京都」講演会 会場:キャンパスプラザ京都
 09/15(火) 18:30~20:00 「万葉の色と染」 講師:古賀達也
 10/20(火) 18:30~20:00 「能楽の中の古代史」 講師:正木 裕さん

◆「古代大和史研究会」講演会(原 幸子代表) 参加費500円
 09/29(火) 10:00~12:00 会場:奈良県立図書情報館
    「多利思北孤の時代② 仏教を梃とした全国統治」 講師:正木 裕さん
 10/27(火) 10:00~12:00 会場:奈良新聞社西館3階
    「多利思北孤の時代③ 「聖徳太子」の「遣隋使」はなかった」 講師:正木 裕さん

◆「古代史講演会in八尾」 会場:八尾市文化会館プリズムホール
 09/12(土) 14:00~16:00 ①「九州王朝」と「倭国年号」の世界 ②「盗まれた天皇陵」 講師:服部静尚さん
 10/03(土) 14:00~16:00 ①「古代瓦と飛鳥寺院」 ②「法隆寺の釈迦三尊像と薬師像」 講師:服部静尚さん
 11/03(火・祝) 14:00~16:00 ①「大化の改新」と難波京 ②「条坊都市はなぜ造られたのか」 講師:服部静尚さん

◆「和泉史談会」講演会 会場:和泉市コミュニティーセンター

全て順延したので削除

《古田武彦記念古代史セミナー2020》(八王子セミナー)
 11/14~15 大学セミナーハウス(東京都八王子市)
 新型コロナ対策として、Zoomを使ったオンライン+現地参加の「ハイブリッド方式」での開催となりました。オンライン参加6,000円、現地参加15,000円。

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