『古田武彦が語る
多元史観』刊行
ミネルヴァ書房から古田先生の講演録を編集した『古田武彦が語る多元史観 燎原の火が塗り替える日本史』が刊行されました。「古田史学の会」の友好団体「古田武彦と古代史を研究する会(東京古田会)・多元的古代研究会」編です。古田先生による「はしがき」には編集者平松健氏への謝辞があることから、平松さんが編集を担当されたようです。確かに見事な編集作業であることが、一読して 感じられました。本当に良い仕事をされたものです。わたしからも読者の一人として感謝させていただきたいと思います。
本書は毎年東京八王子市の大学セミナーハウスで開催されてきた「古代史セミナー」での古田先生の講演と聴講者との質疑応答をテーマごとにまとめられたものです。その講演はコアな古田ファンを対象としたものですから、はっきりいってそう簡単には読めません。本文は500頁に及び、全12章からなる講演録は 古田史学の基礎的理解がなければ深く理解できませんし、最新のアイデア段階の発見から、論証しぬかれた研究まで論多岐にわたってます。しかし、近年の古田先生の思惟の成果が縦横無尽に展開されており、古田史学研究者にとってはアイデアの宝庫であり、未来への研究テーマも指し示されています。
本年11月に恐らく最後となる「古代史セミナー」が大学セミナーハウスで開催されます。わたしも参加します。今までは仕事の関係で参加できなかったのですが、今回は土日の二日間ということもあって、参加できることになりました。今からゾクゾクするような期待感に包まれています。