第644話 2014/01/14

「古田史学の会」と「地域の会」

 先日の賀詞交換会の午前中に、「古田史学の会」全国世話人会を開催しました。 通常、年に一度開催し、「古田史学の会」の事業や課題などについて論議や意見交換を行い、会の運営に反映させています。その全国世話人会で毎回のように出される意見に、「古田史学の会」と「地域の会」との関係のあり方ついてというテーマがあります。今回の全国世話人会でも出されました。「古田史学の会」内部の問題ですので、「洛中洛外日記」で触れることでもないのかもしれませんが、「古田史学の会」創立者の一人として、この問題についての考えを述べてみたいと思います。
 現在、「地域の会」として組織されているのは「北海道」「仙台」「東海」「関西」「四国」ですが、発足の経緯、活動内容や運営などは独立した組織として、それぞれ異なっています。基本的に「地域の会」は独立した組織であり、「古田史学の会」の地方支部ではありません。同時に「古田史学の会」が「地域の会」の本部でもありません。財政的にも人事でも独立した組織です。
 「古田史学の会」は全国組織であり、会費を支払っていただいた会員からなっています。会創立の経緯から関西に本部機能がありますが、「古田史学の会・関西」とは財政的に独立しています。「地域の会」は「古田史学の会」の会員が地域ごとに任意で集まって例会活動などを自主的に行っている組織であり、「古田史学の会」とは別組織ですが、その組織は「古田史学の会」会員が中心となって運営され、目的と志は「古田史学の会」と同じです。いわば「古田史学の会」と 「地域の会」は同志的紐帯で結ばれた関係なのです。従って、本部・支部の関係ではありませんし、上下関係もありません。
 現在は関西の会員が主となって「古田史学の会」の本部機能を受け持っていますが、将来、関東地区や東海地区の会員数が増え、本部機能を東京や名古屋に移動することもあり得ます。現に、発足当初は本部機能の一つである『古代に真実を求めて』の編集部は「古田史学の会・北海道」が受け持っていました。現在も 『古田史学会報』編集と会計は香川県高松市在住の西村秀己さんが担当しておられます。このように、「古田史学の会」は「地域の会」等とピラミット型ではな く、ネットワーク型の運営体制をとっているのです。
 このような組織や運営体制にしたのには理由がありました。それは「市民の古代研究会」の失敗の教訓があったからです。(つづく)

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