第2873話 2022/11/06

『多元』No.172の紹介

 友好団体「多元的古代研究会」の会誌『多元』No.172が届きました。同号には拙稿「藤原宮下層条坊と倭京」を掲載していただきました。同稿は、藤原宮(大宮土壇)下層から出土した条坊跡を根拠に、条坊建設当初の王宮は大宮土壇の北西の長谷田土壇にあったのではないかとする仮説を論じたものです。そして、その後に藤原京条坊域は東へ拡張され、その中央に位置する大宮土壇に藤原宮が新たに創建されたため、『日本書紀』には藤原京を「新益京」と記され、この「新益」は条坊域拡張を意味した命名としました。
 この他に、和田昌美さん(多元の会・事務局長)の論稿「正木裕講演『俾弥呼は漢字を用いていた』所感」では、十月の正木裕さん(古田史学の会・事務局長)の講演を紹介し、「講演では、倭人の漢字の世界が周の時代に始まったことを力説されました。中国史書や漢字の字義を考察した結果と最新の考古学の成果を結びつけた論考であり、大変明快で説得力がありました。」との所感が述べられていました。また、同稿末尾には、わたしの〝周代の二倍年齢〟説の紹介がありました。

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「邪馬壹国」の官名
 — 俾弥呼は漢字を用いていた
正木裕

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