予期せぬ成果、
公開講座聴講者に異変あり
二十数年ぶりの同窓会(久留米高専化学科11期・昭和51年卒)と久留米大学公開講座での講演を盛会に終えることができました。昨晩からの大雨で、JR在来線がだだ遅れなので、久留米駅から九州新幹線みずほで新大阪まで向かっています。みずほは車両がグリーン車と同じ4列シートですからお得感があります。また、内装やシートの造りも高級感にあふれ、とても気に入っています。
二十年ほど前に、仕事でJR九州の車両内装の製品開発を行ったことがありますが、JR九州の専属デザイナーは色やデザイン、素材にこだわる芸術家で、少々、コストがかかっても優れたものを使いたいという人物でした。ですから、わたしも初めて手がける素材(採用されていれば、恐らく車両用途としては世界初)でしたので、試行錯誤しながら開発を進めたことを覚えています(守秘義務があり、これ以上は申せませんが)。そうした経験もあって、わたしは九州新幹線やJR九州のファンです。
昨日の公開講座のあと、久留米大学の福山教授や長崎市から参加さている聴講者の中村秀美さん(古田史学の会・会員)、菊池さん(久留米市)と夕食をご一緒させて頂きました。中村さん・菊池さんには和田家文書研究でもご協力いただいており、中村さんには長崎出島オランダ語通詞の調査もしていただきました(注①)。夕食会では、気になっていたことを福山先生にたずねました。
「今日の講演会の参加者は若者が多く、見たところ四人に一人は40代以下のようでした。なかには20代の女性もいました。これは今までにはなかったことと思いますが、募集方法でも変わったのでしょうか。」
「わたしも始めて見る方が少なくありませんでした。今回の受講者70名強の内、初めての参加者が40名もあり、驚いています。コロナあけということもあり、古くからのリピーターは減少していますが、初参加者が急増した理由はわかりません。」
「どこでこの講座のことを知ったのかなどの調査はされていませんか。」
「次週の正木裕さん(古田史学の会・事務局長)の講演時にアンケート調査を予定しています。」
「是非、その調査結果を教えて下さい。若い人々に古田史学・古田説を伝えるにはどのようなアプローチが効果的なのか、そうしたニーズはどこにどの程度存在するのか、わたしたちも苦慮しています。今回のような〝予期せぬ成果〟の出現は、マーケティングでも顧客クレームと同様に重視すべきこととされています。よろしくお願いします。」
このような会話を交わしました。おそらく、わたしたちが気づかないところで、日本人の意識や社会構造に変化が起こっているはずです。そのことに誰よりも早く気づき、まだ誰もやったことのない新たなムーブメントやサービスを提供した者だけが時代(業界)の先駆者となり、その中の誰かが勝者になるはずてす。帰宅したら、ドラッカーの『非営利組織の経営』(注②)を読み直し、改めて勉強しなおしたいと思います。
(注)
①古賀達也「洛中洛外日記」3068~3071話(2023/07/14~17)〝秋田孝季の父、橘左近の痕跡調査(1)~(2)〟
②P.F.ドラッカー『非営利組織の経営』ドラッカー名著集4、ダイヤモンド社、2007年。